144.不穏な大統領選挙

（夜に続いた雷。不穏な空気が漂う）

10月6日はチュニジアの大統領選挙です。

アフリカの選挙は混乱と政情不安に繋がることが多く、このために派遣国が変わった私としては無事に終わって欲しい一心で状況を眺めています。

今回は、現職のサイード氏が勝利すると言われています。

というのも、強権を発動して野党の有力な候補者を色々な罪状を付けて逮捕や候補資格を剥奪し、他に決め手がないまま選挙に持ち込んでいるからです。

一部でデモも予定されていますが、今のところ限定的です。

サイード氏は民主主義を形骸化した張本人とはいえ、自身に表立ったスキャンダルがなく、政治への失望感が大きいため、国民は消極的に現実を肯定すると思われます。

チュニジア国民、10月6日の大統領選挙を前に大統領への抗議デモを再開

しかし、その後情勢は安定するか、という点は不透明です。

サイード氏は強権を手中にしてはいますが、市民生活の成果は出ていません。高い若年層失業率、続くインフレ、生活必需品の欠品など、火種は多くあります。

https://www.nexi.go.jp/webmagazine/mt_file/2022072001.pdf

結果発表には数日かかるようですが、この後の動きにも注視したいと思います。