71.歌が映す時代の世相
チュニジアで、国民的人気があるのがBaltiという歌手です。
青少年も好んで聞いており、特に「Allo」という曲は毎日のように配属先で流れています。
何故彼の歌が支持されるのか、何人かのチュニジア人に聞いてみたのですが、
「社会問題や日常の困難」を歌にしているので共感する
とのことでした。
この「Allo」も、悪い意味で変わってしまった祖国(チュニジア)で、まるで異邦人のように彷徨う人の嘆きと失望がテーマになっています。
恋愛ものが多い日本の歌とは、全然違います。
英語訳はこちら。
Baltiは、当初ベンアリ大統領の独裁政権でも取り上げられ、政権寄りと認識されていたようですが、革命以降は民衆寄りにシフトし、反テロリズムの姿勢を鮮明にしています。
高いインフレ率と失業率、難民問題や気候変動による経済への打撃など、困難に面しているチュニジアの世相を表している点が、非常に興味深く思えます。
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