話し方について

相手に気持ちよく話を理解してもらうには、蓄積した知識を整理した形で内容を分かり易くまとめ、適切にオノマトペを使って、少し高い目の声で話す事を心掛けるといいでしょう。

音読する

自分の思っている事をかいつまんで短く説明できるようになるには練習が必要です。後から人に説明しようと思って読んだ時と、ただ何となく読んだ時とでは同じ文章を読んでも頭に入る情報の量には雲泥の差が生じます。

日々新聞や本を読みながら面白い記事をチェックしてそれを音読し、後から人に出来るだけ要領よくまとめて説明する練習はコミュニケーションの質を高める練習法のひとつです。また今日あった事やイベントについておにぎりを作る要領で日記に書くというのも知識を整理するのに有効です。今日のおにぎりの中身は何か、梅干か、たらこか、カツオか。何でもいいので、テーマを決めて文章にするのは使える豆知識を増やします。

そうした練習をしながら、その一方で古典のような美しい日本語を音読すれば、日本人らしい情緒も培われので、最強の日本語力を身に付けられます。日本人の多くがこうした最強の日本語力を身に付ける事ができれば、世界での日本語に対する評価も変わるはずです。

私の場合、記憶は時間が経つと蒸発してしまう事を防ぐ意味もあって出来るだけテーマを決めて、その日のうちにおにぎりを作る要領で日記を書くようにしました。それをまとめる形でカセットやICレコーダーに自分の声で録音し、睡眠の前後に聞くようにしました。この習慣によって、豆知識の蓄積はかなり効率よく出来るようになりました。

日本人の会話は短くても必要な情報を全て盛り込み、しかも他者への思いやりがなされた美しい言葉を使います。そんな評価を受ける事が出来るようになれば日本語を学びたいという外国人ももっと増えるのではないかと思います。

会社が多国籍軍になった頃から、複数の人が同時に意志の疎通を図る目的もあって、英会話のスピーチコンテストを年一回実施することや、会議の時は出来るだけ英語でするようにしました。しかし後になって、日本語に比べて細かなニュアンスが伝えにくい事に気が付きました。つまり日本語の良さを再認識するようになりました。

日本人が目指すべきは自分達が日本語を捨てて言語的国籍不明人になる事ではなく、日本語力を磨く事で日本語の持つ可能性を世界に伝導していく事もあるのではないかと思います。

また日本語の特徴のひとつとして、自然の音を表現するオノマトペが豊富にある事が挙げられるのではないかと思います。これによって日本語の俳句や詩が味わい深いものになっているみたいです。英語による詩の多くは、自然界の音を雑音として認識されている為に、表現が限られていて美しくありませんし、言葉遊びの領域に入っていく事にも限界があるみたいです。

オノマトペ

3年前化膿性骨髄炎になってトイレに行く途中、自宅で倒れ救急車で病院に運ばれました。初めの一週間は、寝台でじっと横になっていたのですが、腰の激痛が続き看護婦さんに『この病院には医者がおらんのか~』と当たり散らしていました。後で冷静に考えると大変恥ずかしい事でした。いくら痛いとは言え、これからお世話になる看護婦さんに嫌われてしまう様な事をしていたと大いに反省しました。

オノマトペを活用する

話を元に戻しますが、当たり前の話を面白く分かり易いものに見せるテクニックの一つとして、オノマトペを使う事があります。オノマトペはフランス語で、音や感情の様子などを表す擬声語です。例えば『雨が『ザーッと降ってきた』のザーの部分です。

『駅から出た瞬間、大雨が降ってきた』事を伝えたい時『駅から出た瞬間、ザッバーと雨が降ってきまして』とするだけでその激しさが伝えやすくなります。

オノマトペを使う事で、言葉のニュアンスや勢いを出し易くなります。落語家など話芸達者な人はこのオノマトペと更に言葉に合わせた身振り手振りを加えて話に臨場感を与えます。

あと声の高さですが、『ドレミファソラシド』の音階でちょうどいい声の高さは『ファ』か『ソ』の音です。大抵の人は『ド』から『ミ』くらいの音階が地声になっています。そういう人からすると『ファ』は高すぎると思うかも知れませんが、親しみ易いという点では、それくらいがちょうどいいのでしょう。歌手の石川さゆりさんや小池東京都知事の声は分かり易くて心地いいと思います。

声が低くなりがちな人は、話すスピードを上げてみましょう。リズムよく話す事で自然と『いい感じの声』が出せるようになります。

女性の看護婦さんに好かれようと思ったら少しでも注意すべきです。さもないと『くたばり損ないのくそジジイ』と思われてもしかたありません。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?