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幸福になるには

幸福な気持ちで満たされるかどうかは自身の考え方と人への接し方によって大きく左右されます。

思いやりの心

お釈迦様は『人を思いやり優しくする事は相手を活かすだけでなく自分を明るくまっすぐに生かす種まきなのだよ』と教えました。米国の刑務所で囚人たちにあるプログラムを導入したところ再犯率が大きく下がったとの事です。

そのプログラムとは囚人一人ひとりに犬の面倒を見させて寝食を共にして世話をさせる事でした。殺人などの重い罪を犯した人たちは自分以外の生き物に愛情を注ぐという経験が乏しい人が多いのです。愛情に恵まれない不幸な家庭環境に生まれた事で、そうならざるを得なかったのでしょう。

その受刑者たちに捨て犬や虐待を受けてきた犬、このままでは殺処分されてしまう犬たちの面倒を3か月間見させます。3か月後しつけや行儀が身に付いた犬は里親に引き取られていきます。

犬との触れ合いの中で受刑者たちは思いやりの心を取り戻していきました。22歳の青年は『ある日、独房に入れられていた僕にその犬が何とも言えない目で見ていた。それはどこかで見た目だと思った。それは昔、小さな弟が僕を見つめている目と同じだった』『僕は殺人未遂でここに入っている。薬にも手を出し、暴力的な人間でまるで別人のようだった。もう昔の生活には戻らない。悪の道には進まない』

そして3か月後に犬との別れがやってきます。犬たちは里親に引き取られていきます。中には別れの悲しみで泣き出す受刑者もいます。

誰かを思いやる事は殺人等の重い罪を犯した荒れ果てた受刑者たちの心をガラリと生まれ変わらせたのです。この囚人たちは犬を助けたのでしょうか、それとも犬に助けられたのでしょうか。答えはどちらも正解です。これを自利利他と言います。

本当の幸せとは、自分だけが独り占めするものではありません。相手と自分の間に生まれてくるものです。思いやりとは仏教では布施の心の事ですが、布施の心は自分がまっすぐ生きる力の源になります。『情けは人の為ならず』とはこの事です。

ペットは癒やしになります

子供達は成長するとやがては独立していきます。よほど特殊な例を除いて人は一人で生まれてきて一人で死んでいくものです。ペットと過ごす時間は愛情を注ぐ対象が身近にあるという事だけでも癒されます。楽しい思い出と幸せな気持ちを得る事ができます。アニマルセラピーなるものが老人介護施設でも見直されていると聞きますが、なるほどと思います。

旦那

私達は優しくされたい。大事にされたい。必要とされたい。と思って生きています。恋人や家族から優しくされたらとても嬉しくなり幸福と感じます。家族や友人から必要とされると『頑張るぞ』と生きる勇気が湧いてきます。どうしたら優しくされ、大切にされる自分になれるのでしょう。

時代や国を問わず優しくしてもらえる自分になる方法をお釈迦様は『布施』と教えています。布施とは古代インド語の与えるという意味の『ダーナ』の中国語訳です。そしてダーナを音写したものが『旦那』です。

旦那は元々『与える人』という意味です。布施とは思いやりの心で周りの人に何かを与える事をいいます。お金や物が無くて困っている人、お金や物にはそれほど困っていなくても優しさに飢えている人、失敗続きで落ち込んでいる人、悩みを聞いてもらいたいと思っている人、元気をなくしている人はたくさんいます。

お釈迦様は『思いやりの気持ちでお金や物、笑顔や優しい言葉など、ちょっとした事でもいいので、あなたができる事を与えてみなさい』と教えています。思いやりの心や優しさで接すれば相手からも思いやりや優しさが返ってきます。自分勝手に振舞えば、誰もあなたをかまってくれなくなります。

あなたが周りに取った態度がそのまま周りのあなたへの態度になって帰ってくるものです。

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