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固定観念

兎と亀

『ウサギとカメ』の寓話と言えば、足の速い兎が亀よりはるかに先行していたのに油断して昼寝をしているスキに亀に追い越されてしまうというお話です。

歩みがのろくても地道に一歩一歩努力していけばきっと報われるとか驕った気持ちを持つのはいけない。最後まで油断してはいけないという教訓として、『亀は偉い、兎はダメ』と子供心に刻んだ人は多いでしょう。

ところが、印度などの外国でこの話をしますと、日本人とは全く違う感想を持たれます。『なぜ亀は兎を起こしてやらなかったのだ』『亀は非情な奴だ』『一緒にゴールすればいいのに、兎がかわいそう』など。

弘法大師空海は『ものごとに深くとらわれず固定観念を捨てれば本質がよく見えて、心は清く静かになる』と言いました。

ものごとには様々なとらえ方があります。自分の考えや価値観に固執するのをやめて様々な価値観を受け入れると、世の中は面白く見えてきます。

ステファンのうんこは臭い

夜は子犬のステファンと一緒に寝室で寝ているので翌朝、数枚の犬用シーツをゴミ袋に詰めて回収に出しました。リビングを通ってゴミを出したのですが、妻に『ゴミ袋がかなり臭い、寝室も臭い、そんな事をしていると若い人に嫌われる』と言われました。自分では匂うけれどそれほど嫌な臭いではないと思っていました。妻とのとらえかたが違うのでした。

『加齢による嗅覚の劣化ではないか』とも言われました。この子は可愛いと思う固定観念から『かわいいものは臭くない』という一方的な思い込みかもしれないと反省し、消臭剤を買いに行きました。

太平洋戦争は日本が悪かった

私が中学生の頃、歴史の授業はいつも明治時代より手前で時間切れ。現代の世界情勢については正式には習いませんでした。一方別の科目の多くの先生達が、戦前の日本は軍国主義で近隣の様々な国に迷惑を掛けてきたと教えられました。たぶんその頃の中学の先生方は共産主義の人が多かったのだろうと思います。

それを信じて、私の世代の日本人の多くは自分の国が悪いものと信じてきました。ところが今になって米国の機密資料が50年経った事により公になった事や、自分がアジアの国の人々と直接話し合う機会が何回かあり、中学で先生に教えてもらった事が必ずしもそうではなかったと分かりました。

私の義理の息子はポーランドで教育を受けており、話を聞いていると愛国心が強く、自国の歴史に誇りを持っている事がわかります。学校で習った事が全て正しいと思い込むのは誰かの意図による洗脳の部分が混ざっており、何かの判断基準とするには危険なものだと思います。

ナポレオン・ヒル博士の話

米国の経営哲学者ナポレオン・ヒル博士によりますと『学校と教会は役に立たない。固定観念を潜在意識に植え付ける部分があり、その固定観念によって人々の思考や行動は制限を受けて成功できるチャンスを減らす』と言われています。それが正しいかどうかは別として、自分の頭で根本から抽象思考をしなくなるのは人生にとって大きなマイナスだと思います。

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