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学習し、進化し続ける組織とは

今のように文明が発達した社会で新しい製品や仕組みを生み出そうとする際は、別の組織に属する複数の人が協力して取り組む必要があります。その為には専門分野の違う人達が協力しなければならず、その組織のリーダーにはそれらを纏める集合知マネージメント能力が求められます。まず初めに縄張り意識を除外し、案件に応じてその姿を変更できるような柔軟な組織形態を作る事が必要です。

学習し進化する組織

大きな組織の中で複数の人々が協力して何かを開発する場合、従来からのトップダウンの組織マネージメントではなく、個人と組織の学習能力を高めていく必要があります。組織として学習する場合は中核をなすシステム思考の課題はそれをまとめる人のマネージメント能力とワクワク感、それと業務を続ける為の組織構造にあります。

縦割り組織における部門間の対立や非協力関係をなくして、各メンバーがワクワクする様なビジョンを策定する事から始まります。その組織のリーダーにはメンバーの心を動かすようなワクワク感の醸造とアイデア実現という創造能力が求められます。もちろんその計画に対してリーダー自身がワクワクしている事が大前提です。

チーム発足当初は社員個人の自発性が足りないというより社員のモチベーションをうまく引き出せないような組織になっているという組織としての構造的な課題があります。技術の分野では人類は様々な発明をしてきました。数年前では想像もできなかった形や機能を持った製品が次々と現れています。 

しかし『組織形態』については、はるか昔に生まれたトップダウンという軍隊的な組織運営から小さな改革を繰り返しただけでそれ程大きなイノベーションは起こっていません。確かに組織は技術と違って簡単に試行錯誤できるものではありませんが人と人が本質的な部分で繋がって質の異なる成果を上げるような、これまでとは全く違うような組織形態があるように思います。

グループIQ

複数の人間が協力しあって仕事をする場合には『グループIQ』なるものが有ります。各メンバーが持っている才能や技術の総合力です。グループが目標を達成できるかどうかはグループIQがどれだけ高いかによって決まります。グループIQを決定する最大の要素はいわゆる知能テストの平均点ではなくEQ(心の知能指数)の高さです。

高いグループIQを発揮するカギは人間関係の調和です。他の諸条件が同じならグループとしての能力や生産性は人間関係で決まります。何人かの人がグループとして働く時、そこには言語能力、創造性、共感能力、技術力など様々な能力が集結します。メンバーが持ち寄った才能を発揮し合える環境を作れなければ、グループ全体としてはメンバーの才能の総和より遥かに愚鈍なものになります。

意外なのは参加意識の強すぎる人間がグループの足を引っ張って作業成績を下げる存在になる事です。張り切りすぎると他のメンバーに対して支配的になってしまいます。こういう人は他人とのやり取りの中で何が適切で、何が不適切なのか認識する基本的な社会的知性の一部が足りない様に思われます。

グループにとって能力を最大限に引き出すには人間関係の調和をどこまで高められるかになります。またこのような柔軟な組織を作る事は、組織として成長を続けられる事の条件になるでしょう。

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