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充実した人生の為に

充実した人生を送る為に心掛けている先人の教えをいくつか紹介します。

セレンディピティ - 偶然を大切にする

セレンディップとはスリランカの事。英国の童話に『セレンディップと3人の王子』というのがあります。この話の中で3人の王子達は旅の途中で、様々な『本来自分が求めていなかったもの』に出会います。しかし最終的にはその偶然の出会いが王子達に幸運をもたらすという話。それで、偶然の幸運に出会う能力をセレンディピティと名付けられました。

ただし幸運に出会えるかどうかは、その人の能力によって左右されるのではなく、偶然で決まります。しかし、偶然を幸運に結び付けられるかどうかは脳の使い方次第。それには3つのポイントがあります。『行動する』『気づく』『受け入れる』の事です。

行動してみて偶然の出会いがあった時に気づく。普段から何も考えずに人生を変える幸運を待っているだけではセレンディピティを養う事はできません。意外なことに出会った時に『これは自分の思っていた事と違う』と拒否せず素直に受け入れる。『ちょっと待てよ』と柔軟に受け入れて見ることです。

有意注意

意をもって意を注ぐこと。つまり目的を以て真剣に意識や神経を対象に集中させる事。例えば音がして、反射的にそちらをパッと向く。これは無意識の生理的反応ですからいわば無意注意です。有意注意とはあらゆる状況のどんな些細な事柄に対しても自分の意識を意図的に凝集させる事です。ただ漫然と対象を眺めていたり注意力にムラがあるようでは有意注意にはなりません。

中村天風さんはこの意をもって意を注ぐことの重要性を強調され、『有意注意の人生でなければ意味がない』とまで言われています。私達の集中力には限界がありますから、常に意識を一つのものに集める事は難しいのですが、そうであるように心がけていると、だんだんとこの有意注意が習慣されて物事の本質や確信がつかめ、的確な判断力が備わってきます。

話や相談がある時は、部屋でもいいし、事務所の隅っこでもいい。とにかく集中できるところで聴くのがいい。何かのついでに部下の報告を受けるという軽率な行為は禁じるべきです。集中力は思いの強さ、深さ、大きさから生み出されます。

潜在意識の活性化

潜在意識は理路整然たる理性よりも感性や感情により大きな影響を受けます。積極的な感情と消極的な感情は同時に一つの心を支配することはできません。必ずどちらか一方が心を支配します。だから積極的な感情で心を満たすことが大切です。

それには習慣の法則を利用します。常に積極的な感情を心に満たし、活用する習慣を身につけます。それにより心は完全に積極的な感情に支配され、消極的な感情は入り込む余地がなくなります。
積極的な感情: 願望・信念・愛情・セックス・ロマンス・希望・情熱
消極的な感情: 恐怖・嫉妬・憎悪・怨み・貪欲・迷信・怒り

素直 - 松下幸之助さんの教え

『よいことは素直に取り入れる』誰の言うことでも一応は素直に聴きます。そしていいなと思ったら素直に取り入れて実行します。人の意見を聴く時は虚心になって、私心をなくして素直な心で聴く。そうして他人の智慧才覚を授かる。その難しくないことを人はなかなかできない。そして失敗する。

『自分から進んで吸収する』考えても答えの出ない時もあります。しかし志のある人は、歩いて尋ねて教えを請い、いずれ答えを出します。自分から進んで学ぶ姿勢が大事です。

無意識を耕す - アイデアを形にする方法

ひとつのアイデアを形にする時に、たくさんのアイデアの中からひとつのアイデアを選ぶという方法ではなく、ひとつのアイデアを『生き物』のように捉えて、それを育てていく。具体的には出来上がったデザインをさらにブラシュアップする為に対象にずっと向き合うのではなく、身近に置いてほかの仕事をしながら時々チェックします。それは『意識』で見るのではなく『無意識』で見る。『意識』で正面から見ると、それなりの見え方になります。『無意識』で見る事により、かえって本質がわかる事があります。

意識が処理できる事は一度に一つだし、そこには限界があります。しかし無意識ではもっと並列的に色々なことが起こりうる。意識は逐次処理、無意識は並列処理とも言えます。創造力は基本的に並列的な無意識の中で起こり易い。

点と点をつなぎ合わせる - Steve Jobs

『将来をあらかじめ見据えて、点と点をつなぎ合わせることなどできません。できるのは後からつなぎ合わせることだけです。だから我々は今やっている事がいずれ人生のどこかで繋がって実を結ぶだろうと信じるしかありません。運命・カルマ・・・・、いずれにせよ我々は何かを信じないとやっていけないのです。私はこのやり方で後悔した事はありません。むしろ、今になって大きな得をもたらしてくれたと思います。』

彼が人生を振り返ったエピソードで、学費の高い大学を退学したあと、興味の赴くままコンピュータとは無縁そうなカリグラフ(手書き文字の技法)について学んだことがありました。その10年後、最初のマッキントッシュを開発していた時、思いもかけず、そのカリグラフの知識が役に立つ事になりました。これにより、今日のパソコンは美しいフォントを表現できるようになったのだといいます。

私が大学を卒業して貿易会社に入社後配属されたのは、希望していた地域担当の販売部門ではなく、商品担当の仕入部門でした。卒業した学部が電気工学であり、商品知識を勉強させて将来のセールスエンジニアを目指させようとの先輩諸兄の思いやりがあったのでしょうが、毎日受注管理業務に忙しく、これでは自分のキャリアアップの実習にはならないと半ば落胆していました。

しかし受注管理の道を極めた事により、後になって取引先メーカーの人の気持ちが他の人より早く深く理解できて役立ちました。あの時、一生懸命取り組んでいてよかったとつくづく思っています。

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