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上機嫌

脳を思考停止にせず快調に働かせるには、いい感情を保つ事が必要です。従ってリーダーは意識的にでも感情を整える事は大きなテーマです。

上機嫌

優秀なリーダーを見ていると全員が上機嫌な人ばかりであると気付きます。常に機嫌が悪そうな人は、年功で上に上がる事はあっても、リーダーとして認められることはありません。人はネガティブな反応しか見せない人に付いて行きたいとは思いませんし、話しかけたいとすら思いません。

上機嫌なリーダーには自然に人や情報が集まります。そしてリーダーの姿勢はチームに伝染します。リーダーがメンバーと不機嫌な態度で接していると、それは無意識に真似され、リーダーからサブリーダー、サブリーダーからメンバーへと次々に伝染して組織が丸ごと不機嫌になります。不機嫌な人やチームチームと取引をしたいクライエントは居ませんから、結果的に業績に悪影響を与えます。

リーダーも人間ですから仕事のプレッシャーに加え、体調やプライベート等不機嫌になる要素はたくさんあります。でも苦しくても、あえて上機嫌を装う事はリーダーの務めです。

たとえ、実際には不機嫌でも上機嫌を装って行動していると、少しずつ気分が晴れてくるのに気付くはずです。行動と心は一対になっています。表情を明るく、言葉もポジティブにするだけで気分が変わり、周りに与える印象は変わります。

それでも気分がムシャクシャする時にメンバーに話しかけられた時には『先に言っとくけど、今機嫌悪いよ』と伝えましょう。それだけでも雰囲気は和らぎます。感情的にならず、上機嫌を続けるには幾つかのテクニックがあります。

セルフウォチング

自分自身を見つめる。これは感情的にならず、パニックに陥らない為の基本技術です。今の自分の感情や態度や言葉を見つめます。そして『これでいいんだろうか』『私は冷静か』『ちょっと感情的になってないか』と自分をモニターします。

後で思い出しての検証はできますが、感情的になっている時に自分を見つめるというのは案外難しいものです。カッとなった時でも、フーと息を吐き出して『カッカしない』と言い聞かせる事ができれば、パニックになる事はなくなります。

私の場合は尊敬する祖母がいたのでテクニックとして、『おばあちゃんならどうするかな~』と思い浮かべます。祖母は出しゃばらずに、自己主張もしないのに、周りのみんなに信頼され尊敬されていました。自分が追い込まれたり、イライラしたり、気持ちが動揺し始めた時にはおばあちゃんの顔を思い浮かべると、その顔は苦笑いしています。

『ほらまたイライラしている。落ち着いて考えたらええ』とそんな声が聞こえてきます。その瞬間、私の心はフーと息を吐き出す事ができます。『そうやな~イライラしても何も始まらへん』と気が付いた時には穏やかな感情を取り戻しています。

『それもそやな~』は便利な言葉

リラックスして付き合える人は、自分の考えを押し付けたりはしません。でも何も喋らないというのではありません。色んな話をしてくれるし、時には自分の意見も言います。それに対して自分はいつも賛成するわけではありません。時には『自分は違うと思うな~』と反論する事もあるでしょう。そんな時にも自分の意見に固執しないのがリラックスさせてくれる人です。

自分の考えと違う意見に出会った時、『それもそやな~』『そういう考え方もあるね~』といった柔らかい受け止め方をします。この態度はすごく大事です。自分の意見はあくまでも一つの見方、他人の意見もまた一つの見方。その場で決着をつける必要はありません。お互い『そういう事も言えるかな~』と思うのでしたら、ウヤムヤなままで終わらせても困る事はありません。

自分の優位性にこだわる人はこのウヤムヤが苦手です。ハッキリと白黒の決着をつけたがります。もちろん黒(負け)は嫌ですから白(勝ち)にこだわります。ここで押し合いが始まります。

ところが、『それもそやな~』と言われると押し合いも引き合いも始まりません。言われた方は自分の意見を取り敢えず聞いてもらえたので、ひとまず満足するからです。『まあ、この人の言っている事もわかるな~』と気持ちが穏やかになります。

『それもそやな~』というのはどんな時でも使える便利な言葉です。嫌いな相手が何を言おうが、たしかに『それもそやな~』です。『そんなことあるか~』と反論するのがうまく行かない要因です。

理解し合う事の限界

相手を知り尽くせない。理解し尽せないという事実は無力感を味わう事になるかも知れませんが、この無力感こそが、そこから生まれる『この人が癒されますように』という祈りにも似た思いが相手の心に届く時であり、これは癒しに繋がります。

相手の抱えている問題、悩み、感情、思いを理解する為には『よく聞く』事が大事です。その時、世界中にその人しかいない様に、よく聞く事。相手を遮る事なく、言葉になっていないものを感じ取ろうとする事が大事です。これは元米国大統領のビルクリントンが上手であったのは有名です。

このように、上機嫌を続けるには自分の心に対するケアーは要ります。



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