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2024ニホンミツバチ分蜂記③ 巣箱を設置 いよいよ本格始動です!

~写真は、誘引の蜜を煮立てて刷毛で塗っているところです~

ニホンミツバチは、多くの養蜂業者の西洋ミツバチ(洋バチ)よりも一回り小さく、行動範囲は半径2㌔ほど。山の樹木に咲く花の蜜、花粉を好みます。

花を追って北上して移動する洋バチの養蜂とは違って、ニホンミツバチの巣箱は移動させません。ですから、半径2㌔以内のさまざまな蜜を採ってくるので、複雑で奥深い味わいがあります。しかも、巣箱ごとに味が異なり、例えばミカンが近くにあれば、柑橘系のさわやかな味になります。

ニホンミツバチがその生涯で集める蜜の量はどれぐらいだと思いますか?
答えは、わずか小さじ1杯分です。しかも洋バチよりも行動範囲が狭く、群れを構成する蜂の数も少ない。実に希少なのです。ですから、ハチミツのお値段は洋バチよりも高くなってしまいます。

3月に入ったら、準備しておいた巣箱を設置します。
ただ、そのまま置いて入ってくれるわけではありません。

私のやり方をご紹介します。
▽焼酎を霧吹きで満遍なく吹きかける
▽蜜を採ったあとの巣を水を足して煮立て、巣箱の内と外にたっぷり塗る→蜜ろうを溶かして塗るやり方がオーソドックス
▽巣箱の中に蜜を採ったあとの巣を置いておく
▽可能であれば蘭の一種「キンリョウヘン」を巣門近くに置く→キンリョウヘンは花が咲くとニホンミツバチを誘引します

重要なのは、巣箱の設置場所です。


山のがけ沿いに設置しました

ミツバチが、巣を作りたがりそうな場所を見つけなければなりません。
具体的には、入りやすいのは、大きな木の根元やがけ、土手沿いなど。ただし、これはもう、自分で試行錯誤して見つけ出すしかありません。
私は、巣門の向きを東~東南~南に向けるようにしています。

これであとは、分蜂した群れが入ってくれるのを待つばかりです。

分蜂した群れがやってきて空の巣箱に入居するところです

ちなみに、その群れに新しい女王蜂が誕生すると、元々の女王蜂は群れの半分を引き連れて引っ越しをします。この巣分かれのことを分蜂と呼びます。

古巣を飛び出したミツバチたちは、引っ越し先に入居するまで木の幹、枝に固まって待機します。このときに捕獲し、巣箱に丸ごと入れてしまうやり方を「強制捕獲」と言います。

ただし、巣箱を気に入られければ、群れは逃げ出してしまいます。
また天敵のスムシやダニ、農薬にやられたり、女王蜂が巣を出て交尾中に鳥やトンボに食べられてしまい、群れが消滅することもあります。
働きバチの寿命は1か月ほど(冬場は動かないので3か月ほど)。女王蜂が死んでしまうと1か月後には群れはゼロになります。

空の巣箱に分蜂の群れが入居してくれる確率は、愛好家によって異なるでしょうが、まずは3割ほど。
その入居した群れの5割ほどが逃げたり消滅したりしていなくなってしまいます。自然の理(ことわり)なので致し方ありません。   (了)                 







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