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まだ、イントロ生活。

夕日が差し込む。3分の曲で言えば、2分前後のあたりだろか。
小さなこころを少し早めに鼓動させる愛犬を足元に添わせて、いつもの散歩道を歩く。

犬はいいもんだ。何百回と通った道をまるで初めて見る世界のように、目を輝かせながら歩く。

地元に帰って約1ヶ月が経とうとしている。
高校から寮生活だった僕にとって、久々の長期間ステイ。

当然、親友と言える男とも会うサビの部分はおのずと増える。
ヒトとは面白いもので、ばかな面を下げることもあれば、色恋させる面を下げたり、時には真面目な面を下げる。

(たぶん)今回の帰省で最後のアルコールを交わしながら、バカの底力に目を潜めながら、真面目な面で『数年後、俺らどうなってるかなぁ』なんてまだ身を潜める第2章の話をする。

けれど、曲の第1章を聴けばなんとなく、想像ができるように、僕にはなんとなく想像ができる。

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大学という執行猶予期間は、本当は4年ではなく、2年だと、身に染みる。
批判覚悟ではあるけれど、就活という真面目つら選手権の土俵には乗りたくないと、なんとなく、それなりに、やりたいことと、やるべきことはやってきたつもりではある。

けれど、やりたいことを追求していくなかで、やりたいことは思っていたものよりも遥か彼方先で、変数であると思っていたものは、己の力ではどうにもならない不変的な数値であることを感じる。

ずっと、イントロを奏でていたような気分。

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それはそれで、仕方ないとしよう。
ありがたいことに、まだ変数の値を大きくすることはできそうだし、少しだけ、楽器を揃える準備が早めにできた。

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この時期になると、SNSのアルゴリズムは心を見透かしたように、就活の話題をふっかけてくる。

まずは、無難に自己分析とか、ライフスタイル目標とかを可視化しようと思って、己の欲望を書き出してみようと思ったけど、それほど、嬉しいことにも、悲しいことにも、欲望はそんなにたくさん出てこなかった。

なんとなく、「かっこいい人」になりたいとは思うものの、それは具現化できないし、まだしたくない。

一つ、言えることは、今までの僕を呪縛してきたように、将来に対する価値観も、カネの部分は大きい。

何に使いたいとかはあるわけではないし、今の僕にとって、仕事というものは何よりの快感であり、成長のキーマンである。

だから、承認欲求としての「頑張ったね」賞として、報酬が欲しいのだと思う。

カネを毛嫌いする人も一定数いるとは思うけど、僕は何よりも美しいと思うし、カネでは買えない大切な仲間やパートナーができた時に、カネで助けられない、なんて事態は防ぎたいとなんとなく思っている。

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僕はある程度、感情を理論と論理で抑え込める人だと、僕ズラでは、そう自負している。

「真面目ツラ選手権」対策を見ていると、どうにも「やりたいこと」「挑戦してみたいこと」なんて前向きな言葉がたくさんで、正直、どうにも腑に落ちない。

私生活において己の欲望が、そこまで思い浮かばない僕にとって、「やりたくないことリスト」を引き算形式で列挙することは、人生において、足し算になるのではないか、となんとなく思った。

だから、対してケハケハ笑えるような面白い話でもなければ、学びになる話でもなかったとき、それは僕の「やりたくないことリスト」に入る。

家でゴロゴロするのは、特に気に病まないけれど、家でダラダラする姿を見ると、毎回気持ち悪く感じるから、それも「やりたくないことリスト」。

こうやって、シンプル化された先に、なんとなくの僕なりの「かっこいい」が詰まっている、ような気もする。

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時に、生きるという過程の中で、寄り道とか、回り道とかは結果的には、僕にとっての最短距離であったと、そんな風に思いたいし、少し生き急いでいるような、気もしなくはない。

人生においてサビが来なくてもそれはそれで、諦めがつくタイプだと思っている。

その時の僕にとっての最短距離が、僕の才能の限界値であるし、根性論ではどうにもならない、論理的な話だと、バカなりに思っている。

今聞いているこの曲のように、巻き戻しも、一時停止もできたらすごく便利なのに。


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