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旅客機の秘密

意外と知られていない旅客機の進歩について書いてみました。

こんにちは、サラリーマンOBの谷です。

重さとの戦い

飛行機は重力に逆らって飛んでいますよね。
ならば軽いほうがいいのですが強度との兼ね合いがあって、一筋縄ではいかなかったのです。

少し前までは胴体はアルミ合金(ジュラルミン)でしたが今では機体全体の50%に炭素繊維複合材が使われています。
炭素繊維は鉄の1/4の重さしかなく強度は鉄の約8倍。
これを胴体にたくさん使う事で従来機に比べて燃費性能が20%向上したと言われています。
F1レーシングカーのモノコック構造も炭素繊維複合材で作られていますね

炭素繊維複合材はどうやって作られているのか?

炭素繊維複合材はアクリル繊維を約1000度で焼いて作った直径5ミクロンの炭素繊維の糸を束ねて樹脂と一緒に重ねたものを、巨大オーブンを使って高温高圧で焼き上げて作られている。


なぜ軽量化を求めるのか


はっきり言って航空会社が利益を得るためです。

例えばB767とB787で比較してみましょう。
東京〜大阪間
B767より重量を10万ポンド(約45トン)重くして飛ばしてもB787の燃料消費量はほとんど変わらないんですよ。

ということは、その重量分多くの人や物を載せて飛ばせるということ。

逆に重さが変わらなければ飛行距離を伸ばすことができるといこと。

それを踏まえて
長距離国際線を運行する場合、たくさんの燃料が必要で今まではジャンボ機(B 747)など大型機に頼る必要があったんです。
そのジャンボ機を飛ばすには400人以上が利用する路線でなければ黒字とならなかったのですが、そのわけは1回のフライトで売上の30%が消えると言われるほど燃料代がかかるから。

それが軽量化による燃費効率に優れたB 787なら150人から200人の乗客数で長距離を飛ばしてもビジネスとして成り立つ様になった。
そして長距離運行が可能となったことで今まで航行できなかったところまで直行便で行ける様になった。

昔は燃料がもたなくて乗り継ぎだったり、燃料補給で寄港したりすることがあったのです。


知ってた?窓も大きくなったんです

実は「旅客機の窓も大きくして欲しい」というニーズが過去からあったのです。
観光列車などはすでに大きな窓が売りとなっていますよね。

しかし旅客機は胴体の縦横方向にフレームとストリンガーという縦通材を組み合わせたセミモノコック構造をしているので窓の設置スペースが限られてしまうんです。

骨組みを減らせば窓は大きくとれるが強度が落ちてしまう。
そうすると強度を増すために外板を厚くしなければならなくなり、重量がかさみ飛ばせなくなる。

しかし炭素繊維複合材を使った窓を利用することで胴体と一体構成することで継ぎ目を少なくし、窓を大きくとることに成功。

下の写真を見ると以前より縦に長くなっていませんか?


FireShot Capture 078 - ANAの最新機『ボーイング787』はスマホ使いのための航空機だ - 週刊アスキー - weekly.ascii.jp

また旅客機に乗って旅したいですね。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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