お金と数える概念:なぜ"money"は数えられないのか
「お金」というと、日本語では「1円、2円」のように数えることから、"money" もまた数えられると直感的には感じるかもしれません。
しかし、「英語にとって『数えられる』とは」の記事で説明したとおり、英語にとって「数える」という概念は、名詞が単位として機能することに基づいています。つまり、"money" を数えるためには、「"one money" としての基準」が必要となるのです。
"money" で数えることはできるか?
英英辞書を調べてみると、"money" とは <労働によって得られるもので、物を買うために使える。形式としては紙幣や硬貨、小切手があり、銀行に預けることができる>と定義されています。
つまりは「お金」を意味する単語ですが、日本人が「お金」を数える際には、無意識のうちに名詞を通貨単位に置き換えてしまう傾向があります。つまり、"money" を数えているのに「1ドル、2ドル」と言い換えてしまうのです。
しかし、ここで数えているのは "dollars" という別の名詞であって、"money" ではありません。"money" を「数えられる」と判断するには、"one money" という基準が必要になりますが、現実には「"two monies" をプレゼントします」と言われても、どのような量を想像すればいいのかわかりません。
こうした理由から "money" には数える基準がなく、数えられない名詞として扱われるのです。
実際の使用例を見てみよう
Longman辞書には "money" について、次のような例文があります。
この例文から読み取れるように "money" とは、特定の紙幣を指しているわけではなく、抽象的な資産全体を意味する名詞です。ですから、"three moneies" という表現は意味が通じませんし、"money" は数えられない名詞として扱われるのです。
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