見出し画像

探る・信じる「潜在能力」~AviUtlを中心に

といっても、怪しい自己啓発ではありません。
みなさんはパソコンを使ういろいろな曲面で「おおっ、コイツ、こんなことができたのか!」と感心したことはありませんか。

最初はエディタソフト

 こんなことができたのか、の気持ちを初めて感じたのは、パソコン黎明期だったような気がします。

 私は恩師・矢野徹さんの影響で、パソコンでの原稿はワープロソフトではなくWZエディタ(当時はVzエディタ)を使っています。
 矢野さん曰く、「このソフトはカスタマイズ性にすぐれているので、どんどん自分が便利なように変えられるよ」とのこと。すべてのコマンドに対するショートカットキーを自分で決められたのです。
 余談ですが、このときの矢野さんの設定を引き継いで、私はcrl+T(TopのT)とcrl+B(BottomのB)でファイルの先頭や末尾にジャンプしたりしてます。冒頭は大事な導入なので何度も確認するし、末尾はトータル枚数の確認ができますからね。ホームやエンドボタンでも普通にできるってこと、知らなかったので、この設定のまんまです。

 で、ショートカットキーを割り当てるためにコマンド一覧を眺めるわけですが、そうすると、「なんじゃこれ」という命令がたくさん見つかります。
 検索や置換にしても、いきなりテキストを打ち込むか、ダイアログを出すかなど、手順の種類がある。
 ジャンプも、論理行と表示行と、二種類で使い分けできる。論理行は改行までのブロック、表示行はその一行だけ。この使い勝手は素晴らしかった。

 そうやってるうちに、指定文字の色分け、とかも発見する。
 マクロ処理もできると知る。
 マクロってなんぞや、と調べると、(Vz時代は便利なマクロを提供してくれる人がたくさんいた)行の途中からの矩形範囲指定やら、脚本スタイルに設定してくれるものやら、「なんだこれ、無料なの? 宝の山なの?」状態でした。

 当時のマクロはWZエディタに進化したときに、デフォルトで使えるようになりました。
 けどソフトは進化し続けるものですので、いまだに「こんなことできたのか、お前!」と叫びそうになる日々です。

 同じソフトを持っている。でも「できること・できないこと」をちゃんと把握してるいるかどうかで、「やれること」はたぶん五倍にも十倍にもなる。

 先日も、いつもこき下ろしているWordで、新たな発見をしました。
 ルビがどうしても体裁よく振れない。意地になって調べると、「フィールドコード」なるものがあった。ルビなどの特殊処理をする書式のときに、見えない指示を記入した部分です。
 それを見えるようにしてやると、普通のダイアログではできない細かな設定ができるんです。
 知ってました? わたしゃ知らなかったよ。フィルードコードなんてのも初めて聞いたよ。

枡目いっぱいに本文を書き、フィールドコードでルビをバランスのいい大きさにできる。

「お前、そんなことできたのか!」Wordの潜在能力をちょっと見直しました。

 こういう隠し能力は、マイクロソフト製品に多いですね。
 パソコンを買ったらしれっとOffice365が入ってたりするので、たいていの人は基本的な使い方はできます。
 けれど使っているうちに今回のような不満が出てくる。天下のマイクロソフトがそんなことできないはずはない、という妙に歪んだ信用を胸に調べると、ものすごく複雑な手順を踏めば望みの処理ができちゃったり。
 できることすべてを開示すると、基本操作だけで済む人が混乱するという配慮なのかもしれません。
 が、やはりもったいないとも感じるのです。せっかく手元にあるソフトなんだから、とことん使い倒したい……もっと言えば、隅々まで知って征服したいって気持ちになりません?

ここから先は

4,623字 / 2画像

¥ 200

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

みなさまのお心次第で、この活動を続けられます。積極的なサポートをよろしくお願いします。