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素晴らしい本との出会い(2023Vol.2)

『砂まみれの名将』(加藤弘士)[新潮社]

数々の名言を残した野村克也さん。選手の指導のためにまとめられた「野村の考え」、そして書籍になった「野村ノート」やマスコミを通じて発信された数々の言葉は、野球だけではなく、人生にとって大切なことを教えてくれる。

そんな野村監督がプロ野球を離れ、シダックスの監督としてアマチュア野球界にいた3年間を、当時、担当記者だった著者がまとめた書籍がこちら。

野球を愛し、選手を愛し、人を愛する野村監督の魅力があふれ、華やかなプロの世界とは異なる苦悩や苦労も伝わり、改めてノムさんを好きになる名著です。本当に偉大な方でした。スポーツにも仕事にも通じる素敵な言葉は後世にしっかり残していきたいですね。

『一生懸命に勝る美しさはなし』ってな。一生懸命な選手がいいよな。使いたくなるんだよ。俺も若い頃、そうだったから」

努力は裏切らない。見てくれている人や応援してくれる人は全体いるからと、勇気をくれる言葉ですね。

「この場は俺の勝負なんだ。『この人はこんな考え方をしている』『だから、この人のためにこうしよう』と、みんなに植え付けなきゃいけない。野村克也はこういう人間だと、理解してもらわなきゃいけないんだ。だからミーティングの場は凄く大事で、俺にとって毎日が勝負なんだ。車の中で『きょうはどんな話をしようか』と考えてくるんだよ」

学生コーチ時代の練習前、マネージャになりたて頃の毎日の朝礼、毎日何を話すか考えていた。今日というタイミングで、未来のために何を伝えないといけないかを、日々考えて話していた。ところが最近やれていない。メンバーに毎日発信できてない。忘れかけていた私の原点。大切なことを思い出させてくれた。原点に戻って再出発する。

「我々の日の中心軸は 『仕事』です。仕事なくして人生は考えられません。我々の仕事は、結果至上主義の世界です。 『いい仕事をする』『いい結果を出す』ためには、技術 だけを磨こうという取り組み方だけでは、上達や進歩、成長は大して望めません。 『専門家意識』を根底に持つことによって、知識欲や探求欲が旺盛になり、専門家として恥じない人間形成をしていくようになると思うのです」

プロスポーツ選手だけでなく、すべての社会人に通じる考え。どんな仕事であってもお金をもらう限りはプロ意識がとても重要。人としての魅力も高めて、専門家意識を持つこと、そして絶えまぬ努力を続けることがとても大切。

謙虚とは何か?
「相手より常に一段低いところに身を置くことである。

失敗や挫折を経験して謙虚になれる。素直に受け止めそこから這い上がるため、さらに成長していくためには、素直で謙虚であることがとても大切。

「財を残すは下、仕事を遺すは中、人を遺すを上とす」

人生の後半戦。財を残すことはできなくとも、仕事を遺すことは意識できる。そして、もっとも大切にしたいことは、人を育てて、未来につなげること。組織づくりはひとづくり。社会もひとでできている。素敵なひとや素晴らしいひと。微力ながらも育てて遺す、成長支えて未来につなげる。

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