セミファイナル
今日の東京は涼しめ。あの強烈な日差しとひたすら重たい湿気で饅頭の中にいるような天気がようやくどこかに行きつつある。いつでも全力なセミたちの鳴き声も落ちつき、線の細い虫の鳴き声が目立つようになってきた。夏も後半に差しかかった。
見せ場も終盤を迎えたセミ。
セミは地上に出てからは短命とか言われているが、セミの人生はそのまえの地中から始まっている。ぬくぬくと安全に、雨に打たれることもなくネコにいじくり回されることもなく、悠々自適な幼虫時代。
何年も居心地いい場所にいたけど、ちょっと手狭になってきたから地上にでも出てみるかと一歩踏み出した途端、なんかすごい蒸し暑いし、眩しいし、うるさいし、とんでもないところに来ちまったなと。
しょうがないから飛び回ってたらバンバン壁にぶつかったりして、もうよくわからないからその辺でコロッとしてたら誰かに突っつかれて、何事かと思ってまた逃げようとしたら勝手に怖がられて。
そんなに怖がるなよと。こっちは起こされたんだから。そういうことですよね。
セミに思いを馳せる夏の終わり。
なお道端でコロッとしているセミの見分け方は、足を閉じていたら息絶えていて、足が開いていたらご存命だそうですよ。
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