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Vivaれ! ストーリーライン

あっという間に5月が終わって、6月になりました。

新年度の2ヶ月を振り返ると、仕事面では、育成・新卒採用などの佳境期を部門メンバや協力社員の活躍のおかげで乗り越えられたのが大きかったです(感謝!)。

そして、もうひとつ印象的だったのが、あるムーブメントが社内でじわじわ広がっていくのを目撃できたこと。それは、僕らの部門が仕掛けたわけではなく、他部署の若手メンバの個人的行動がきっかけで広がったものでした。


舞台は Microsoft Viva Engage

Viva Engage とは?

活動の舞台は、Viva Engage(Vivaエンゲージ)。Microsoft 365 を導入している組織ならOfficeやTeamsアプリとともに導入されている製品です。以前Yammer(ヤマー)と呼ばれていたサービスの後継なのでご存じの方もい多いでしょう。一言でいうならば「社内SNS」のプラットフォームです。

勤め先では、以前からYammerが導入されており、テーマごとの「コミュニティ」が開設されてきました(僕もいくつか立ち上げて活用していました)。コミュニティでは、勉強会の資料共有や 社内サークルの活動報告など、全社員にオープンな形で投稿がなされ、それを見た社員からリアクションやコメントが交換されています。

まだキャズムは超えていない

こう書くと理想的な情報共有環境になっているようですね。実際は、全社員が Viva Engage (旧Yammer)を活用しているかというと、そんなことはありません。体感では、日常的に投稿しているのは社員の1割程度、「投稿したことがある」人を含めても2割ぐらいでしょう。

Viva Engageでは、特定のコミュニティ上の投稿は、通知が弱い等の理由で届きづらいです(メンバ登録していない人にもオープンにはなっているものの読む習慣がないと気づかれない)。また、「All Company」という全社員参加コミュニティもありますが、そこに投げ込むほど強く押し出す内容か…と躊躇してしまう。そんなケースが多いと感じます。

加えて、Teamsとの併用による問題もあります。オンライン会議やメッセージングツールとしてはTeamsを活用しているため、特定関係者間での連絡や情報共有はTeams上のチームやチャネルを作ってやりとりすることが大半です。普段仕事をするメンバとのやりとりは、そこでほぼ完結する形になります。

結果として、Viva Engageの利用はいまひとつ進まず、当社における位置付けは、イノベーター理論でいう「イノベーター」までは浸透しているものの、「アーリーアダプター」を獲得しきれていないという感覚です。(当然キャズムは越えていない)

▼参考:イノベーター理論、キャズム理論

「組織をまたぐ可能性」への期待

社員数が2,000人近くなると、部署が違ったり、オフィスのロケやフロアが違うだけで、どんな人がいるのか、はたまた、何を考えてどんな活動をしているかが見えづらくなります。

この問題に対して、僕らコーポレート組織で人材開発・組織開発を担う身としては、研修やワークショップの企画等を通じて組織をまたいだ対話の場づくりを行なっています。ただ、それだけでは十分ではありません。

個人同士のつながりやメンバ間のダイレクトなやりとりは、オフィシャルな施策を補完する役割を果たします。現場に足を運ぶこと、社員と直接対話することに加えて、Viva Engageのような 社内SNS 上で現場社員同士のやりとりが増えると、個人が持つ情報・知恵・感情が組織をまたいで共有できると期待しています。

鍵を握るのはストーリーライン?

「どこに書くか問題」は意外と大きい

TwitterやFacebookには「タイムライン」がありますよね。
コミュニティやグループのような特定の目的を持つ箱(場)に書き込むのではなく、各自がホームグラウンドであるタイムラインに意見や情報を書く。すると、SNSの仕組みとして、フォロワーになっている人に伝わったり、検索で見つけた人やハッシュタグを辿って偶然目にした人にもその情報は届きます。

Viva Engage にも「ストーリーライン」という場があります。(僕がその存在を知ったのは今年3月になってからのこと。機能としては、2022年9月にパブリックプレビュー版で実装され、2023年夏頃に本格リリースされていた模様)

▼マイクロソフト Vivaシリーズ説明会を伝える記事(2022年8月)

企業内の情報発信において、発信場所(=どこに書くか)は意外と大きなテーマです。個人ブログに書いても同じテーマに関心を持つ人にはなかなか届かない。とはいえ、提言や意見として固まっていない備忘録に近いメモをTeamsのチャネルや Viva Engage のコミュニティに書くのは憚られる。Slackを導入している企業でも、パブリックチャネルに書き込むのは同じような抵抗感がありそうです。

それに対して、Viva Engageの「ストーリーライン」は、個人レベルの備忘録・アイデアメモ・ブックマークなどの投稿を気兼ねなく行えそうです。しかも、個人に閉じずに興味を持つ人に伝わる、ちょうどよい場所なのかなと感じます。

大きくなりつつあるムーブメント

記事冒頭で「あるムーブメントが勤め先でじわじわ広がって…」と書きました。現在、起きているのはこんなことです。

  • 通勤時のBGMを投稿しあう
    →興味や人柄が伝わる

  • 読了記録に対し、過去に読んだ人がコメントを寄せる
    →別メンバが興味を持って読み始める

  • 参加した社外イベントをレポートする→「Twitterで見た!」と反響が届く

  • 仕事に関する感想や一言メモ
    →コメントやリアクションで応援

  • 休日や在宅勤務時の素敵写真をシェア
    →癒やしの提供

  • 各種行動宣言
    →類似チャレンジを始める人が登場

この動きは、とある若手メンバがコツコツ投稿していたところから始まりました

僕もたまたま彼の投稿を目にして興味を持ち、真似して投稿を始めた口です。本や音楽ネタに乗っかったり、撮った草花写真をアップするところから始めました。最近では、新人研修発表会の案内や人材開発部門スローガンを紹介したり、現場で役立ちそうなVoicyや動画コンテンツを紹介するなど、本業の補足にも使っています

社内では、徐々にストーリーライン投稿仲間が増えつつあります。できれば、この流れをより大きくしていきたいところです。

slack times文化も参考に

チャットツールslackには、個人チャネルとしてtimesや分報と呼ばれる使い方が広く普及しています。かなり以前から実践されているので、メリットだけでなくデメリットも語られていますね(以下にいくつか挙げさせてもらいました↓)

正直、ツールは使いよう(運用次第)なので、このあたりは企業や組織で使いながら練り上げていけばいいのかなと考えています。

なお、先日イベントでお聞きしたのですが、株式会社ゆめみ ではSlackの個人チャンネルを OJT 目的として作成し、社内向けガイドラインをオープンにしておられます。

面白いと思ったのが、書くべき内容として挙げている以下の7項目です。5番目はドキッとしますが、解説を読むと納得感がありました。

1. 学びのアウトプット
2. 目標・決意・願望
3. 不明点・疑問点・できない事
4. (感情と個人に関する情報の)自己開示
5. 会社批判
6. 顧客理解(センシング内容)
7. セルフブランディング

出所:ゆめみオープンハンドブック / Slack(OJTチャンネル)コミュニケーションガイドライン

このガイドラインも参考にしつつ、当社の社内SNS普及も進めていきたいなと感じました。

まとめ

投稿仲間が「Vivaる」「Viva友」などの言葉を使いだしました。こういうセンス、好きです。

上に書いたように、色々と気になることはありますが、まずは今あるツールで、楽しみつつ進めてみればいいのかなと思ってます。そんなわけで、しばらくはViva Engageのストーリーラインへの投稿(1日1件程度)を継続する予定。

最後に同僚の皆さんへの呼びかけをば。
Vivaれ! ストーリーライン

参考文献/参考記事

今回のnoteを書きながら思い出した本や記事を並べておきます。

■『コミュニティ・オブ・プラクティス』
企業内や企業間のコミュニティで、ナレッジを交換するメリットが語られています。コミュニティの栄枯盛衰や、コミュニティをコーディネートするスタッフについての記述もよい。

■『人と人の「つながり」に投資する企業』
企業内でつながりに投資するとはどういうことが。上の本とともにずいぶん前の出版ですが、今の目で読むとまた違った発見がありそうです。

■『社内SNSを活用して企業文化を変えるやわらかデザイン』
富士通での実践事例。最近でたSNS関連本ではこちらが今回のテーマに参考になりそうでした。

■Microsoft Vivaエンゲージとは


※noteはパラパラですが、Twitterでは日々何かしら呟いています。


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