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にっき5

10月30日(月)

4泊5日で山口県から広島県への旅をしている。
今日が最後の夜、つまりは明日帰る。

今日は朝から大津島の回天記念館を見学した。
わかってはいたけどすごく気分が落ち込む。

夜は広島入りしてライトアップされた原爆ドームを観る。落ち込む。
明日は朝から原爆資料館、落ち込むだろう。

いきることと、死ぬことと。
祖先や子孫にうっすら興味がある今の自分が接種してはいけないジャンルなのかもしれない。

回天記念館の殉職/戦死された方々の遺影の年齢を見ることが辛い。
18.19.20.21……、いま酒を飲んだあとにぐだくだ駄文を書く自分よりも遥かに若い日本人がそこには写っている。

祖父母は終戦間際に産まれているから戦争のことを誰からも聞けない。
時々、日本が戦争をしていたことさえ空想の世界に思える。
でも回天搭乗員の方の肉声を聴くと、力強く潔い遺書を見ると先人に感謝しなければならないと思う。

大津島までは徳山港からフェリーで渡る。
船内にはテレビがあるのだけど、記念館を見たあとにニュースに映し出される渋谷の若者を見るといろいろ考えてしまったり。

なによりも26歳の自分の精神年齢よりも遥か上の回天搭乗員の方々を考えると自分が情けなく思える。そう思えることが平和ということなのかも知れないけれど。


回天訓練所へ向かうトンネルには幽霊、心霊といった下品な言葉では表せない決死の覚悟と気迫が未だに残っている気がして僕は苦しくなって泣きそうだ。
深海に潜るように息を吸い込んで駆け抜ける。


ごめんなさい、申し訳ございません。


それでも僕には僕のするべき生活の仕方がある。
ホテルのシーツにお気に入りの香りを振りまいて、すこしまどろむ。

良い夢を、おやすみ。

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