『針ヶ谷の家』 内覧会
移りゆく光を手がかりに設計しました住宅
『針ヶ谷の家』が竣工致しました。
(今年のGA houses project展に出品)
展覧会用に作成しました動画は下記よりご覧いただけます。
https://youtu.be/abh6zfu4UIg
弊社への設計依頼を検討されている方などで内覧をご希望なさる方は
下記フォームよりご連絡下さい。
http://hirobe.moon.bindcloud.jp/Contact.html
なお、今回の内覧会は、ご入居後にクライアントの
ご厚意により開催されます。
ご配慮いただけますよう、お願い致します。
2023年7月22日(土)11:00-17:00
・京浜東北線 与野駅より 徒歩 約 5 分
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光の閾(しきい)になる境界を探していくこと
比較的密度の高いエリアのなかで、計画地は家族の住まいが点在する大きな敷地の一角にある。
北側隣地には4階建てのマンション、東面は細かい区画の住宅が建ち並ぶというロケーションのなか、南側の空に対しては広く視界が開けている、ということが計画の拠(よりどころ)となっていく。
当初から設計条件に24時間空調を行うことが盛り込まれていたため、断熱性能上は不利となる開口部は少なめにしてほしいと要望があった。床下に温度変化を吸収する蓄熱体を仕込み、2台のヒートポンプエアコンで床下に吹き出す方式の全館空調を想定している。
断熱性能を担保するために、熱負荷になる開口部を控えめに設定はするが、天空で日々繰り広げられる光の変化は、間接的に生活空間に映し出されて欲しいと考えていた。
そこでメインのLDKにある開口部のほとんどを「間接光」のように感じるよう、室内に2つの領域(あるいはレイヤー)を設定して外側の領域になる壁に導いている。しかし一つだけ、空に向けて直接切り取られている窓がある。それは唯一遮られることなく空に繋がる南面の上部に設けられ、ピクチャーウィンドウとして、空の様相を直接届けてくれる。
光はその性質上、直射光だけではなく、反射し、回折し、また拡散していく。その結果として生まれる光のグラデーションを常に映し出す器として設計した住宅である。
(廣部剛司)