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「Villa SSK Reform」

この別荘が竣工してから5年余りが経過したところで、クライアントからリフォームの相談があった。当初は海側に水盤を設けて、その水面と実際の海が繋がってみえることを目的に、腰壁を設けて、景観を眺めるよう設計されていた。それは比較的静かな空気感をこの空間にもたらしていた。
今回のリフォームの動機は、ご家族の構成が変化して行くうちに、より積極的に外で過ごし、子供達が遊びやすいようにしたいという気持ちがふくらんでこられたということだった。

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この建築は、海と対峙する山の間に建っている。その両方の景観を味わうことを目指して特殊な工法を考え、海と山(南北方向)には構造壁がほとんど無く、アーチ構造で8mのスパンを飛ばしている。そのため、腰壁と水盤は本体の構造から切り離されていたことから、本体構造に影響を与えることなく掃き出し窓に改修する道筋が開かれた。
腰壁部分を慎重に解体、3枚引きの引き込みサッシュを新たに製作した。欄間を設ける事で製作範囲内におさめることでプリーツ網戸も仕込まれている。
この部分にあった床置エアコンがなくなるため、2階の腰壁にエアコンを新設。既存家具と違和感なく繋がるように納めている。
デッキは建築自体のフォルムからインスパイアされ、多角形で構成している。
側面を傾斜させながら立ち上げるることで、デッキはベンチとなり、背もたれとなる。
平面的な多角形と、立ち上がりの斜線が交差するため、設計も施工もかなり難易度が上がったが、もともとの建築と今回追加した部分の親和性は格段に上がった。
目指していたのは「最初からそうであった」かのようにみえるリフォームだった。

http://hirobe.moon.bindcloud.jp/Works/corner387812/V-r.html

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