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松井五郎さんにきく、歌のこと(HIROBA)


音楽の原体験的なものは、いくつかあって、そのうちのひとつが中学生の頃にのめりこんだ玉置浩二さんの音楽です。

当時14歳だった水野少年は、当然のように玉置さんの母船である安全地帯にまで遡っていくわけですが(誕生日に親にねだったのは、玉置浩二&安全地帯のベストアルバムでした)、ふと気づきます、自分が大好きな歌たちの多くを、あるひとりの作詞家が手掛けていることを。

野球部の練習から帰ってくると、自室にこもり、唯一もっていたクラシックギター(なぜかフォークギターでもエレキギターでもなく、クラシックギターでした)をかかえ、ベットの上で「玉置浩二ベストソングス集」と書かれた楽譜を広げ、延々と歌っていました。そこには「All I Do」などのソロ曲に加え、安全地帯の楽曲もたくさん載っていました。

思春期に、自室で延々とこもって歌い続けた時間が、今の僕をつくっています。

「悲しみにさよなら」「じれったい」「熱視線」「あの頃へ」…夢中になって歌ったいくつもの楽曲は、松井五郎さんが歌詞をてがけた作品群でした。

技術うんぬん以前に、歌という行為を覚える過程に、松井五郎さんの作品があったので、そのとき根付いた感覚が僕の根幹にあります。メロディに歌詞をのせるときに、なにを良いと感じ、なにを悪いと感じるのか。感覚のサーモグラフィみたいなもの。それは松井さんの作品を夢中になって歌ったことによって養われたものなので”影響を受けている”とか、そんな生易しいものではなく、松井さんの母体から生まれてきてしまいましたと言っても、それほど大袈裟な物言いではないんです。

そんな松井さんと、作詞について往復書簡のかたちで聞いていく企画をHIROBAでスタートさせています。

1通目 水野良樹→松井五郎

1通目は、まず『書かないこと』について問いかけました。
詳しくは僕の手紙を読んでいただきたいのですが、詞のなかに文字として落とし込めることは限られています。おのずと「書かない」ことの選択に僕らは向き合います。そこから問いかけてみました。


1通目 松井五郎→水野良樹

そして松井さんが返してくれた返事がこちらです。
曲作り(あるいは作詞)をしてみようと思っているひとたち、すでに曲作りをしているひとたち、つくることに興味はなくとも、言葉に関わる仕事についているひとたち、にはいくつものヒントを与えてくれるお返事だと思います。ぜひお読みください。

2通目 水野良樹→松井五郎

今日(2020年4月13日更新)、さらにこの松井さんの手紙に対して、水野が返事を送らせてもらいました。




2通目 松井五郎→水野良樹 (2020.04.28)

松井さんからのお返事が返ってきました。



3通目 水野良樹→松井五郎 (2020.05.11)

松井さんから問いかけて頂いた、作家と作品の精神の整合性について、話は続いていきます。


3通目 松井五郎→水野良樹 (2020.05.25)


4通目 水野良樹→松井五郎(2020.06.15)

いきものがかりという存在と、僕、個人の存在の緊張感ある関係について、松井さんの問いかけにお応えするところから話が続きます。



4通目 松井五郎→水野良樹 (2020.6.29)

5通目 水野良樹→松井五郎 更新しました!(2020.07.13)

これからこのページを随時、更新しながら、松井五郎さんとの往復書簡のやりとりを皆さんにご紹介していきたいと思います。

ぜひ最初から最後までじっくりお読みいただいて、よかったら感想なども呟いたり、語ってくださったら嬉しいです。

水野良樹




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