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HIROBA公式マガジン

水野良樹(いきものがかり)の実験的プロジェクトHIROBAの公式マガジンです。毎週金曜日にラジオ的長文コラム『そのことは金曜日に考えるから』が更新されます。その他の記事も随時更新…
ソングライター水野良樹が主宰するHIROBAの公式マガジンです。HIROBAは『つくる、考える、つ…
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2022年2月の記事一覧

読む『対談Q』 水野良樹×上田慎一郎 第4回:間で出会うために。

本当の混乱を作ってくれ。 上田:『ポプラン』の音楽は、幼稚園からの幼なじみが作っているんですよ。カメ止めのメインテーマとか主題歌を作っているやつで、今一緒に会社やっていて、社長でもあるんですけど。で、『ポプラン』のなかで不協和音がほしくて。「あんまり整ってない、混乱しているような音楽を作ってくれ」と言ったら、最初に作ってきたものが“作為ある混乱”だったんですね。 水野:わかります。混乱させてやろうっていう。 上田:そう、ひとの手が作った混乱。それで、「いや、これは混乱で

読む『対談Q』 水野良樹×上田慎一郎 第3回:ここまでは引ける、これ以上引いたら解けない。

「映画になってきた」。 上田:僕は発見してほしいんだと思います。お客さんも自分で発見したほうが絶対におもしろいじゃないですか。さっきも言ったように、「家族の形っていろいろあるよね」とセリフで言ったら間違いはないんですけど、押しつけがましいじゃないですか。 水野:はい。 上田:たとえば、血の繋がらない父と子どもが二つの積み木セットでひとつの家を作る。セリフがまったくないそういうシーンを書いたとしたら、さっきと同じような意味を伝えられるというか。そして、それを自分で発見して

読む『対談Q』 水野良樹×上田慎一郎 第2回:いつも破壊を求めている。

音楽でいうと、メロディーが先。 上田:水野さんはどっちが先なんですか? メロディーと詞っていうのは。 水野:僕はメロディーのことのほうが多いですね。 上田:メロディーをもって伝えようとするときってありますか? たとえば、極論ですけど、1曲のなかでバラードから急激に明るくなったりして、「人生には悲しいこともあれば楽しいこともある」みたいなのをメロディーそのもので伝えようとする試みというか。 水野:そこまで説明口調にはならないと思いますけど、ありますね。映像でもここからア

読む『対談Q』 水野良樹×上田慎一郎 第1回:いちばんうまい白飯を作りたい。

めちゃくちゃエゴサーチします。 水野:さぁ対談Qです。ゲストの方と、ひとつのテーマについて一緒に考え頂くコーナーです。今日のゲストは映画監督の上田慎一郎さんです。よろしくお願いします! 上田:よろしくお願いします! 水野:いきものがかりでは『100日間生きたワニ』という作品でご一緒させていただきました。そして、この度『ポプラン』という新作が公開中です。僕も試写会に伺いまして、このタイミングで上田監督に対談Qに来てもらおうと。僕は試写会のときって、観終わったあとにうまく喋

読む『対談Q』 水野良樹×Mr.シャチホコ&みはる 第4回:水野さんにモノマネを覚えていってもらおう。

シャチホコ:僕なんかまだ経歴も浅いし、語っているだけだと見ているひとも、「なんか偉そうにモノマネ語っているだけじゃないか」ってなっちゃうかもしれない。なので、視聴者を代表して、ちょっと今日は水野さんにモノマネを覚えていってもらおうと思いまして。 水野:マジっすか! シャチホコ:いくつかちょっと持ってきたので。 水野:こんな貴重なことあります? シャチホコ:これもう全身全霊をかけて。この瞬間からは弟子になって。 水野:ありがとうございます! シャチホコ:僕は師匠って

読む『対談Q』 水野良樹×Mr.シャチホコ&みはる 第3回:人選がいちばん大事。

ファはファイトのファ。 シャチホコ:僕がいちばんモノマネ界で、構成をしっかり考えて出しているという意味ですごいひとが、栗田貫一さんだと思うんですよ。声優さんでルパンもずっとやっている方なんですけど。常に新ネタを考えているし、当時からいちばんクリエイティブだったと思うんです。たとえば「スシ食いねェ!」は、回転ずしにモノマネのネタが乗って流れてきて、1個ずつモノマネする。 みはる:最初に小林旭が流れてきてね。 シャチホコ:順番にやるんですよ。あと「ドレミのうた」は、「ドはド

読む『対談Q』 水野良樹×Mr.シャチホコ&みはる 第2回:本人がやる1を10にするのが僕らの仕事。

口紅を忘れた日。 水野:モノマネってすごく繊細ですよね。 シャチホコ:ものすごい繊細です。メイクひとつでも、何か足りなくなると全然違くなっちゃう。この目の下の黒いアイラインとかも、ないだけでもうアッコさんの目力じゃなくなっちゃうんですよ。 水野:ああー。 シャチホコ:地方営業のときに1度、僕は口紅を忘れたんですよ。もう口紅なんか忘れたら最低なんですけど。 水野:この色じゃないとダメですもんね。 シャチホコ:そうなんですよ。 みはる:色も定番が決まってますからね。

読む『対談Q』 水野良樹×Mr.シャチホコ&みはる 第1回:マネしたくなるマネをしろ。

一般のひとがマネできるようになったら勝ち。 水野:さぁ対談Qです。ゲストの方とひとつのテーマを一緒に考えていただこうというコーナーです。今日のゲストはモノマネ芸人のみはるさん、そしてMr.シャチホコさんです。よろしくお願いします。 シャチホコ&みはる:よろしくお願いしまーす! 水野:アッコさんで来てくれた! シャチホコ:もはやこれが正装だからね。これじゃない私はMr.シャチホコじゃないから(笑) 水野:シャチホコさんには以前、いきものがかりの番組にも来ていただいて。

読む『対談Q』 水野良樹×高橋久美子 第3回:水野くんのマグマの部分。

もし発表する場所がないとしても。 水野:「音楽とは自分そのものです」みたいなことをおっしゃる方いるじゃない。そういう言葉、自分は吐けないと思っていたし、「いやいやいや…」って冷めた言い方をしているタイプで。だけど最近、何周もまわって、音楽を作ったり、書いているという行為が結局、自分なんじゃない? って思う。 高橋:うんうんうん。 水野:父親としてとか、社会人としてとか、会社の社長としてとか、いろんなパーソナリティーがついてまわるじゃないですか。それは全部、結果でしかない

読む『対談Q』 水野良樹×高橋久美子 第2回:書くことで、自分が助けられている。

東京再発見。 高橋:感染リスクとしては、都会のほうが高かったわけなんだけど…。地元に帰ったときのあの感じより、実は東京のほうがちょっと気が楽だったところはあったんですよ。 水野:いい加減なことは言えないけど、東京は他人と思えるひとが多いんだよね。駅に行って、ほとんどのひとが他人じゃん。 高橋:たしかにね。 水野:多分東京って、距離的には近いんだけど、(まわりのひとたちが)自分とは関係ないひとだって思える生活をしていて。本にも書かれているけど「東京の生きやすさ」って多少

読む『対談Q』 水野良樹×高橋久美子 第1回:コロナ禍、それぞれの土地の日常。

地元の農業のほうを見たとき、また全然違う現実があった。 水野:さぁ、対談Qです。今日はコロナ禍の日常を緩やかに振り返りたいと思います。そのゲストと言えば、この方じゃないかなとお呼びしました。作家・作詞家の高橋久美子さんです。よろしくお願いします。 高橋:よろしくお願いします。 水野:もう久美子ちゃんと呼んでしまいますけれども。ほぼ同志のような感じで。 高橋:そうね、同じ年だし。 水野:デビューも同時期で。一緒に曲を作ったり、本を出すたびにラジオとかに来てもらって。HI

そのことは金曜日に考えるから no.21

金曜日になりました。 20220224 ひとつの愚かで強引で圧倒的な暴力の行使によって、それまで”抑止”や”緊張”というベールに包まれて、ぎりぎりの熱を保って眠っていた暴力たちが、あるいは暴力への焦燥たちが、濁流のように止めることもできず、否応なく解き放たれてしまうことへの、恐ろしさがある。世界秩序への暴挙を非難する。人命への暴挙を非難する。

そのことは金曜日に考えるから no.20

金曜日になりました。 Opening なんせ、走っているんですよね。 急にランニングモードになっちゃって。何年かに1度あるんですよね。走ることにハマる時期が。毎日、走っておかないと体が気持ち悪いみたいな時期が。 スピードは全然遅いです。もうゆっくり、じっくり、だらだらと。という感じ。途中、坂があると歩いたりもしますしね。自分の肉体を追い込んでいこう、スピードをあげていこう、なんならフルマラソン目指そう!なんていう気持ちは、さらさらない。ひたすら自分のペースで、ちょうどいい

そのことは金曜日に考えるから no.19

金曜日になりました。 Opening 昨日は寒かったですね。東京でも雪が降って。年末年始、雪国のほうにいたんですが、そのときよりも寒かった気がするな。 いや、そんなわけないんですけれどね。もちろん気温とかは比べるまでもないんですけれど。東京でたまに雪が降ると、体感での寒さが厳しく感じますよね。 往年の名選手、星野伸之選手のストレートみたいなものですかね。 わかるひとにはわかる。たぶん。あの落合博満選手は一番早いと感じたストレートとして星野投手のストレートを挙げたとか