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HIROBA公式マガジン

水野良樹(いきものがかり)の実験的プロジェクトHIROBAの公式マガジンです。毎週金曜日にラジオ的長文コラム『そのことは金曜日に考えるから』が更新されます。その他の記事も随時更新…
ソングライター水野良樹が主宰するHIROBAの公式マガジンです。HIROBAは『つくる、考える、つ…
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2021年12月の記事一覧

読む『対談Q』吉田尚記さん(アナウンサー)「歌がない文明は滅びる?」後編①

「1、2、3…あとたくさん」って文明の方が多いんですから! 吉田:最近いちばん興味があるのは、文化人類学で。 水野:ずっと言ってますよね。こないだも言ってましたよ。だからまだずっと興味が続いているんだ。 吉田:おもしろいもん。我々のスタイルなんて、この世の中に何億個もあるスタイルのうちの、たった一個。 水野:文化人類学のおもしろさは何ですか? 吉田:さっきも言ったように、今まで自分が知っていたことが全部嘘かもしれないって思えるところ。読めば読むほど、どんどん気持ちが

そのことは金曜日に考えるから no.13

大晦日の金曜日になりました。 Opening 2021年が終わりを迎えようとしています。寒波が来ているようですね。どの地域もかなりの寒さなんだとか。夕方、犬を散歩させてきたんですが、東京も少しだけ雪が散らついていました。今はもう、やんだかな。みなさんもどうか暖かくしてお過ごしください。 大晦日のそわそわした感じというのはありますよね。 いつだって、昨日から今日へ、今日から明日へと日付は変わっているはずで、それはいつも通りすぎているはずのことなのに、この”年をまたぐ瞬間”と

読む『対談Q』吉田尚記さん(アナウンサー)「”自分という他者”に満足できるか?」後編②

他者がいない世界であれば、言語も知識も必要ない 水野:情報収集の話。なんで知識を集めるのかとか、なぜ言語を使って知識を発出するのか。 吉田:はい。 水野:これって、やはり他者がいない世界であれば、必要ないんですよね。 吉田:どういうこと? 水野:僕と吉田さんが考えていることが同一で、すべてわかりきっている。仮にそんな究極の状態を用意したら、もう会話が必要ないじゃないですか。僕が持っている記憶、知識、吉田さんが持っている記憶、知識が全部一致していて、相互理解が完全に達成

読む『対談Q』吉田尚記さん(アナウンサー)「情報収集の本質は”知らないこと”だ」前編②

情報収集の本質は「知らないこと」 水野:オカルトに行くんだ(笑)オカルトに行くってどういうことですか? 吉田:要は、根拠なんか何もない話が好きになっちゃう。 水野:科学の先に行くってこと?論理の先に? 吉田:そうそう。科学とか論理ではなく。だからみんな、未確認生物とかに異常に詳しい。ネス湖のネッシーがいるかいないかについての豆知識を膨大に持っていたりする。すごいですよ。ただ、これが役に立たないということは全員100%わかっている。 水野:“ノンポリ”って言い方をされま

読む『対談Q』吉田尚記さん(アナウンサー)「どうしたら”圧倒的な情報収集”ができるのか」前編①

顔が似すぎている、ふたり 水野:対談Qの時間でございます。今日のゲストはアナウンサーの吉田尚記さんです。よろしくお願いします。 吉田:(動画を)観ているひとが、顔似すぎてない?って思っていると思う。 水野:ははは。 吉田:似ているんですよ。ちょうど一昨日、スターダストという、ももいろクローバーZの皆さんとかが所属している芸能事務所のイベントがあって。司会をして。イベントの最後の曲が「We Are "STAR"」。 水野:あー、僕が作らせていただいた。 吉田:そうなん

読む『対談Q』登坂淳一さん(アナウンサー)「冷静でも”冷めて”いるわけじゃない」後編③

毎回15分終わると、ヘロヘロだった 水野:でも、不思議なのは、ご自身を抑えてニュース原稿を読んでいたのに、登坂さんじゃないと醸し出せない空気が出てくるっていう。 登坂:ニュースを担当して、たくさんのひとに知ってもらったのもありますけど、そこで、みなさんにネットでもいっぱい書かれるとか、いじられるキャラというか、そうなったのがすごくビックリでした。僕はわりと「道の端っこのほうを歩いていたんですけど…」って意識だったので。驚いたし戸惑いもありましたね。 水野:なんか、ぬぐい切

読む『対談Q』登坂淳一さん(アナウンサー)「自分は主役ではない」後編②

視聴者ここでもう”ボウダ”だから  水野:普段の会話でも他の方の言葉は気になっちゃったりします? 登坂:いや、そんなに気になったりはしないんですけど、たまに会話で「あぁ、こういう表現するんだ」って思ったときは、覚えようとしたりするところはありますね。 水野:ああ。 登坂:たとえば、ちょっとドキュメンタリーチックな番組を編集しているときに、「ここは良い感じだな、感動できるな」って思える場面があったりする。そこでディレクターが「いや、これね、視聴者ここでもう“ボウダ”だから

読む『対談Q』登坂淳一さん(アナウンサー)「透明にみえるまでやってやろう」後編①

白い歯が見えただけで大事件 水野:みなさんのなかで冷静なイメージ、上品なイメージがついていたと思うんですけど、ご自身で「苦しいな」と思ったりされることはなかったですか? 登坂:普段もあのイメージだろうっていう先入観を持って接してこられると、ほんの少しのギャップがすごく大きく感じるんでしょうね。笑ったら「笑った!」みたいな。赤ちゃんか!みたいな(笑) 水野:白い歯が見えただけで大事件でしたよね(笑) 登坂:そうそう。同じことをやっているひとたちは何人もいたのに、なんで僕だ

読む『対談Q』登坂淳一さん(アナウンサー)「落ち着く技術は、具体的に」前編②

”気持ち”は燃えているんだけれど”頭”はクール 登坂:たとえば放送中に何か起きると、周りが「~で事故が起きたよ!」ってワーッっとなるじゃないですか。 水野:はい。 登坂:そのとき「え!?」って反応して、対応はするんですけども、一緒に自分の気持ちまで上がってしまうと、準備しなくちゃいけないこと、やらなくちゃいけないことが進まなくなるから。 水野:ああ、そうですよね。 登坂:気持ちはすごい燃えているんですけど、頭はクール。「冷静に、冷静に」みたいな。それも決めていました

読む『対談Q』登坂淳一さん(アナウンサー)「どうしたら”冷静”でいられるのか?」前編①

やっと会えた! 水野:対談Qの時間です。今日のゲストはアナウンサーの登坂淳一さんです。よろしくお願いします。初めまして。 登坂:よろしくお願いします。初めまして。 水野:やっと会えました!嬉しい! 登坂:はは(笑) 水野:デビューした当時、いやもっと前ですかね、ニュース番組に出られている姿を拝見して。登坂さんのファンの方は結構やることだと思うんですけど、登坂さんが画面上に現れると、Twitterで「麿(まろ)」ってつぶやいてしまうタイプのファンで。 登坂:光栄です。

そのことは金曜日に考えるから no.12

金曜日になりました。 Opening 39歳になりました。SNSを通して、お祝いのメッセージなど、お送りいただいた皆さんありがとうございます。 以前、ミュージックビデオの撮影のときに、ロケバスで長い待ち時間を過ごしたことがあって。暇つぶし用に雑誌とか本とかがバスに置いてあったんですが、そのなかに「誕生日辞典」というのがあったんですね。占いみたいなものだったかな。この誕生日のひとはこんな性格で、こんな運勢で。みたいな。 それをめくっていたら2月29日のページ。「この日に生

そのことは金曜日に考えるから no.11

金曜日になりました。 Opnening 12月になってしまいましたね。自分は誕生日が12月にあるので、いつも12月が1年の基準ラインになります。ここで、区切るというかね。ああ、また1年終わるんだなと。もちろん大晦日だったり、そういう年末の数日間も、その区切りを感じるんですけれども、やはり年齢を重ねるときのほうが、この1年間を考え直しますよね。もうすぐ39歳。30代最後の1年に入ります。 さて、12月になる直前の11月30日にこちらの本が出版されました。 約2年半前より、