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医療の将来像の一つ、『最大化医療』

『最大化医療』という用語を考えてみた。

たぶん、Google検索をしても1つも引っかからないので、自分発信で創作された単語だ。

これは、各人間が、自分の身体・精神能力を最大限に発揮できる医学的アプローチのことで、今自分が一番関心がある。

あまりにも関心がありすぎて、毎月連載している日経新聞の健康コラムでも2023年12月にこの話題を書いてみた。

ここではあまりにも妄想を広げていくことはできなかったので、ここでしょうちょっと妄想を爆発させたいと思う。

自分が思っている『最大化医療』は具体的にはこんな感じです。

個人の健康データのデジタル化、AIによる健康管理と生活設計、個人最適化された食事と栄養管理、遺伝子治療やゲノム編集技術の応用といった観点から、2030年頃に実現するであろう次世代医療と健康長寿社会の姿をできる限り具体的に描いてみたいと思います。

スマートウォッチや植え込みセンサー、スマート家電などから生成される膨大な健康データをブロックチェーン上に分散管理。必要に応じて匿名化して医療研究に協力することも可能です。これにより、自身の遺伝情報を含む健康プロファイルが全容を把握できるようになり、疾病リスクや寿命予測も高度に精緻化されます。

そしてAIがこのデータを解析し、目的達成のための食事・運動・睡眠などの生活設計プランを立案。BMIや体脂肪率を理想の範囲内に維持しつつ、筋肉量の増強や基礎代謝の高めることを提案します。深層学習で味覚嗜好も学習するので、楽しみながらでも行動変容できるプログラムが用意されます。

個人最適化された食事面では、栄養バランスはもちろん免疫機能向上に資する腸内環境の整備が重要視されます。腸内フローラの網羅的解析から導き出された自分だけのオーダーメイドなプロバイオティクスと食事メニューで、疲労回復はもちろん脳や身体の能力が最大限発揮できるようになります。

遺伝子検査やゲノム解析も日常的に受けられるようになり、疾病リスクを軽減する遺伝子治療も低コストで利用可能です。さらに近未来には健康寿命を伸ばしたり、知能・運動能力を高めるための遺伝子改変も選択肢の一つとなり、多くの人がアップグレードを希望する社会になることでしょう。

ただし、個人の自由な選択と技術の多様な応用可能性を両立させるためには、健全な社会倫理の確立が欠かせません。様々なステークホルダー間でオープンな議論を重ねながら、遺伝子操作技術の活用指針を明確化していく必要があるでしょう。

このように最大化医療と健康長寿を支える技術は着実に進歩を遂げており、近い将来、多くの人がその恩恵を享受できる社会が実現するものと考えています。

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