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フィッシュマンズ “俺たちの決起集会”2とフィッシュマンズのアーカイブ音源

7日に配信されたフィッシュマンズのYoutube配信“俺たちの決起集会”は何度も見てしまう。会場のカフェキチムは昨年原田郁子さんの「アップライトピアノ」を撮影した場所ですね。

原田郁子「アップライトピアノ」MV

後半のアコースティックライブも素晴らしかったが前半のトークパートも楽しくて何度も見てしまう。その中でメンションされていたのがフィッシュマンズのアーカイブ音源のリリースのこと。先日欣ちゃんのツイッターで「低音バッシュ 新宿リキッドルーム」のマスターテープが写し出されていたが


確かこれはフィッシュマンズ「8月の現状」の元ネタとなったライブでキャリア最後期である98年ツアーのものをZAKの元で再チェックしている模様で古い音源やフィッシュマンズの歴史を音で辿るという作業をしていますとの欣ちゃんの発言があった。これは楽しみだ。フィッシュマンズのライブの人気は「空中キャンプ」以降の後期に集中すると思うが前期でも演奏技術ではまだ未成熟なものの良いライブはたくさん有るはずだとここで言っておきたい。

前期のライブは公式では「Oh!Mountain」しか残っていないのは理由がある。それまではライブ映像で音源をマルチチャンネルで収録するのが時代的に困難だった。ライブハウスレベルでのライブ中継が一般的になったのも80年代後半のTVKが先駆者でその後90年代に入ってスペースシャワーやMTVが積極的に行うようになったが音源はライブと同時に中継用のエンジニアが同時にミックスした音源を使うことが前提だった。前期フィッシュマンズのライブで唯一スペースシャワーで映像化された1992年2月@渋谷クラブクアトロのライブもミキシングコンソールからパラアウトした音源のため会場を鳴らしていたZAKのミックスと違っており前期のライブの本質を伝えるものがあまり無かったのもその理由だ。

フィッシュマンズがライブ音源をマルチチャンネルで収録出来るようになったのはA-DATを導入した1994年後半以降だと思う。それ以前のデジタルマルチレコーダーは数百万から数千万円するような高額でライブで収録用にレンタルするのはとても高くて人気のあるアーティストが予算のある番組や映画での収録しか使えなかったが、90年代に発売されたA-DATはビデオのS-VHSテープを音楽用に使い価格は20万円ぐらいで8チャンネルのマルチデジタルレコーディングが可能になった。フィッシュマンズで言えば「Oh!Mountain」ツアーからA-DATを2台同期させて収録していたのが最初だったと記憶している。ZAKのインタビューによるとA-DATはその後のワイキキスタジオでも導入したばかりのProToolsと並行して使っていたようだ。

しかし「映画フィッシュマンズ」で使われていたデビュー前の90年12月のラママ2DAYSや91年8月の新宿ステーションスクエアの映像がかなりいい音で聴こえており、あれは恐らく自分が撮ったハンディカムからの映像&音源のはずだ。あの頃のハンディカムはまだアナログ録音だしZAKの手で最新リマスタリング技術を使えばきっと前期のライブの素晴らしさも証明してくれるのではないかと思う。実際シングル「いかれたBaby」のカップリング曲「Blue Summer」も確か1992年11月の心斎橋クラブクアトロライブの8mmビデオからの音源だったはずでマルチチャンネルの音源が無いならオーディエンスマイクに近い8mmビデオの方がはるかに会場の空気を捉えていたと思う。

ついでに言うと「Oh!Mountain」ツアーもフルサイズのライブがあるといいなあ。この間のアナログ化の際にやはりハカセの最後期での演奏の素晴らしさを改めて認識、また昨年映画公開時に大阪のFM局、FM802が1995年の大阪か神戸での音源をオンエアしていてこの時期のライブがまた格別の雰囲気を伝えていたことが分かっている。そして今回のYoutube配信で再び素晴らしいキーボードプレイを披露しフィッシュマンズのオリジナル・キーボード奏者としての意地と誇りをHAKASE_SUNが見せてくれたので。

という訳で2022年のフィッシュマンズも楽しみだしネタが続く限りこのnoteに書いていきたいと思う。今年も皆さま、よろしくお願いいたします。

《追記》

8mmビデオのマイクで撮ったはずの音源「Blue Summer」。今聴いても定位と分離がはっきりしていて驚かされる。心斎橋クラブクアトロは佐藤くんも好きなハコの一つとしてあげていた。


最後まで読んでいただいたありがとうございました。個人的な昔話ばかりで恐縮ですが楽しんでいただけたら幸いです。記事を気に入っていただけたら「スキ」を押していただけるととても励みになります!