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山崎ハコさんのライブを見に行った

GW明けからずっと雑務に追われていてnoteが遅れがちなのだがこのライブについては書かないわけにはいかない。5月14日(土)、山崎ハコさんのライブを初めて見た。

山崎ハコさんの音楽は、10代の頃の自分の中ではもっとも距離をおいた日本の三和音を主体としたフォークソングという短絡的な認識をしていたため、その本質を理解するまで時間がかかってしまった。音楽配信の仕事を携わり、ストリーミングで様々な時代のポピュラー音楽をフラットに見れるようになったことといくつかの偶発的な出来事が重なったことで、山崎ハコさんの音楽は最も早い段階に登場した日本のオルタナティブ・フォークだったことが今になって分かった。今回のライブでその事実を改めて確認することが出来た。

満員の渋谷PLEASURE PLEASURE、コロナ禍もあっての3年ぶりのバースデイライブということもあり、入り口はごった返し、ロビーにもスタンド花がいっぱいだ。今回のライブがハコさんにとってもっと重要だったのは2020年に夫でありアコースティックギターの名手である安田裕美さんを病気で失っていたことだ。今回のハコさんにとっていつもライブで寄り添ってくれた大切なパートナーを欠いて開催された復活バースデイライブになる。

セットリスト
望郷
横浜から
Help Me
SODASUI
私が生まれた日
新宿子守唄(椿組公演曲)
ふようのうた(椿組公演曲)
恋唄(椿組公演曲)
映画の新曲「ヌー」
空の舟
ごめん

飛びます
EC:
BEETLE(ハンドマイク)
気分を変えて
★曲名は公式ファンサイト「山崎ハコの世界」から参照させていただきました。

特に印象的だったのは2ndアルバム収録曲「Help Me」、アメリカの学生たちが作ったインディーズ映画の主題歌になったりドイツのダンスチームがこの曲で踊ったYoutube動画が少しバズったりしているらしい。46年前のオリジナルのキーのまま歌えるハコさん。

そしてアコースティックギター専門の安田裕美さんに「ピンク・フロイドみたいなエレキを弾いてほしい」とお願いしてエレキを買ってもらって弾いてもらい出来上がったトラックをバックに歌った「SODASUI」の深海のようなライティングに響く美しさ。また中間部はハコさんがずっとお付き合いしている劇団・椿組のために書き下ろした楽曲を披露、ハコさんの純国産のブルース魂が凝縮されたようなパートだった。

本編ラストの「飛びます」は1975年のデビューアルバムの表題曲、現代の若い女性シンガーソングライターたち、カネコアヤノさんとか中村佳穂さんたちが今表現している世界と直結する47年前の歌だ。アンコールはハンドマイクで歌った「BEETLE」とやはりデビューアルバムからのナンバー「気分を変えて」で締めくくられた。

本当にすごいライブだった。全曲一人で歌いきったハコさんに会場は皆泣いていた。山崎ハコさんは47年前からずっとオルタナティブなシンガーだったに違いない。自分のようなにわかファンが書くのもおこがましいがnoteの中に山崎ハコさんライブに関する記事は少ないと感じたので書かせてもらった。

Youtubeに「気分を変えて」ライブバージョンがあったので貼っておきます。
ブギーなのに表打のクラップはジェネレーションギャップがあるかもしれないけど。


最後まで読んでいただいたありがとうございました。個人的な昔話ばかりで恐縮ですが楽しんでいただけたら幸いです。記事を気に入っていただけたら「スキ」を押していただけるととても励みになります!