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英語を学び直したい人のための「ちょいと使える英語 Vol.9」

今回のテーマは、バイデン大統領就任にちなんで「大統領の英語」。
英語がネイティブではない国民にもきちんとメッセージが伝わるように、大統領はわかりやすい英語を話すように心がけています。(専属のスピーチライターもいます)
ブッシュさんはテキサス訛りがひどかったので、大統領就任にあたってだいぶ矯正トレーニングを受けたと言われています。
大統領の英語はリスニングの教材としても役立ちます。

さて、歴代大統領のスピーチから幾つかのフレーズを紹介しましょう。
まずは、第46代大統領ジョー・バイデンの就任演説の一節。
“We have learned again that democracy is precious. Democracy is fragile. At this hour, my friends, democracy has prevailed.”

Preciousは「尊い、貴重な」。「貴重品」は、金銭知的価値(value)が貴重な物なので、valuablesと言います。Fragile(フラジャイル)は「もろい」。段ボール箱に貼る「割れもの注意」シールには”fragile”と書かれています。
ここで使っているprevailは「勝つ」という意味なので、訳すと「我々は民主主義は尊く、もろいものだと改めて学んだ。民主主義は今、勝利したのだ」となります。数日前に起きた連邦議会議事堂乱入事件のことが、これに続きます。

続いて、トランプ前大統領の有名なフレーズ。
“We make America great again !!” (アメリカを再び偉大な国に!)

ここで使っているmakeは「~させる」という意味の使役動詞。「Make + 名詞 + 形容詞」で「~を~させる」という意味になります。

The news made me very happy.(その知らせは私を幸せな気持ちにさせた→その知らせを聞いて嬉しかった)
The new product release made us very busy.(新商品の発売で、えらく忙しくなった)

次に、オバマさん。教育の重要性について語ったフレーズ。
“If there is a child on the south side of Chicago who can’t read, that matters to me, even if it’s not my child.”  
(もしシカゴ南部に文字が読めない子供がいたら、その子が私の子供ではなくても、私は放ってはおかない)

ポイントは“that matters to me” (それは私にとって大事なことだ。→私は放ってはおかない) matter は「重要である」という意味の動詞。黒人が警官に殺された事件を契機に全米に広がった運動のスローガン”Black Lives Matter”(略してBLM)のmatterも同じ意味です。lives(ライヴス)は命 "life"の複数形なので、「黒人の命は大事だ」となります。
“It doesn’t matter.” は「たいしたことない」「気にしないでください」という意味。相手がちょっと時間に遅れて”I’m sorry.”と謝ってきたら、”It doesn’t matter.”と返します。(大遅刻の場合は別)

最後にジョン・F・ケネディ。
“Do not pray for easy lives. Pray to be stronger men.”
(楽な人生を願い求めるな。より強い人間になれるように願いなさい)
pray for(~を祈る)は第7回で紹介しました。このlivesもlifeの複数形。ここでは「人生」という意味です。

おまけ。上の写真は、オバマ元大統領が以下のメッセージを添えてSNSにアップした写真。

“Congratulations to my friend, President Joe Biden ! This is you time. "
左がオバマ、右がバイデン。いい写真です。”This is you time.”→ あなたの時代だ。

今日はここまで。 See you next time !

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