03川崎

2020年代のイノベーションを予想する

ただいまnotesおよび4つのウェブメディアwithnews、BuzzFeed Japan、Business Insider Japan、BLOGOSが「#2020年代の未来予想図」というテーマでコンテストを開催中である。良い機会なので、個人的に実現してほしいと思っている近未来テクノロジーをいくつか紹介する。

電子証憑

電子証憑とは紙のレシートおよび紙の明細書の代わりになるもので「これはA社がBさんに発行した領収書で品目明細は〇〇です」「これはC社がDさんに発行した特定口座年間取引申告書でその明細は〇〇〇〇です」といった情報が書かれたファイルである。おそらくブロックチェーン技術を用いた偽造不可能/無許可閲覧不可能なファイルとして顧客の仮想通貨ウォレット宛に届くだろう。

電子証憑が実現すると何が良いのかといえば、まずサラリーマンが毎年行う年末調整やその後の確定申告が実質不要になる。なにしろ税務署に電子証憑のコピーをメッセージ送信するだけだから。青色申告に必要な帳簿の記帳も当然自動化されるだろう。そもそも証憑から会社宛申告書へ、会社宛申告書から税務署宛申告書へと、手作業による情報の書き写しを繰り返させられる現状がおかしいのだ。電子証憑は電子マネーよりも重要なインフラであると考える。早期実現を望む。

自動運転車(ロボットタクシー)

自動運転車(ロボットタクシー)は社会のあり方を大きく変える可能性がある。たとえばタクシーが極端に低価格かつ現在の100倍の車両数になり、電車バスのように通勤手当で乗れるとしたらどうだろう。都心部では大渋滞が発生し乗入禁止になる可能性が高いが、郊外であればそのような心配はない。結果としてロボットタクシーは自宅から最寄駅までの交通機関としてバスを置き換えることとなり、駅の近くに住む必要はなくなる。地価が変動し、ロボットタクシー前提の都市計画が考案されるようになるだろう。

もちろん鉄道が廃止されるような過疎地でもロボットタクシーは公共交通機関として大活躍する。むしろロボットタクシーの実用化は過疎地の方が早いかもしれない。廃止されたローカル鉄道の線路をロボットタクシー専用道とすれば事故が起きないだろうから。

木材のプラスチック化

以前に実用化されたというニュースを見た記憶があるのにいまだに製品が市場投入されないので書いておく。「木材のプラスチック化」とは、木材の主成分リグニンを薬剤で溶かし、熱可塑性樹脂に変えてしまう技術のことである。実現すれば石油資源の節約、林業のハイテク産業化、ひいては過疎地の経済活性化につながる超技術である。

また、昨今はマイクロプラスチックによる海洋汚染が話題となっているが、プラスチック化された木材も微生物によって分解可能だという。期待の新素材である。

親近感演出技術

このアイデアだけは裏付けのないふわっとしたものであることをご了承願いたい。

現代のビジネスコミュニケーションの主流はチャットになりつつあるが、それでもチームとしての一体感や上司部下の信頼関係の構築には対面でのコミュニケーションが効果的だという。しかし都心にオフィスを借りて従業員に通わせ通勤手当を支給するのはコストがかかる。テレビ会議室システムを高画質化するなどして人工的に実在感を演出する試みもあるようだが、SF映画に登場するような本物そっくりの立体映像が2020年代に完成するとは考えづらい。

そこで提案したいのが親近感演出技術、すなわちビジネスチャットだけでやりとりしているにも関わらず対面で会話しているような親近感を感じる仕掛けを開発しようという提案だ。

これは必ずしもハイテクである必要はなく「アイコンは必ず笑顔の写真にすること」「絵文字を多用すること」「感情を表現するサウンドエフェクトを絵文字と併用すること」などのライフハックでもよい。

この技術を多用しすぎるとチャットの印象と対面の印象の乖離が激しすぎて混乱が生じる可能性もあるが、コミュニケーションを高めるためにこのような方向性があっても良いのではないかと思う。

以上、思いつくばかりを書いてみた。ところで未来といえば、SF映画「スタートレック」の世界は核融合発電・物質複製機・ヒューマノイドロボットによってすべての製品サービスが無料になっているという設定だそうだ。2100年ごろにはそういう世界になってほしい。

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