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リタイヤで失ったもの

 それは「社会的な信用」です。

と、私の場合の体験を述べてみましたが、どうお感じになるでしょうか?
 
 経営者として社業第一の生活を送っていました。その時代を知る人からは「暇で、時間を持て余すでしょう?」 「生甲斐が無くなったのでは?」
といった類の質問をよく頂きます。
 リタイヤに伴う、生活や心情の変化に興味を持たれているのだと思いますが、期待通りの回答にはならないというか、多分、想像とは異なります。
 以前、私が抱いていたアーリーリタイヤのイメージも知人と同じです。

「資産を食い潰しながら、朝から夜まで、ブラブラ遊んで暮らす!」

 確かに、そのように振る舞ったり、見せたりしている方も大勢居ます。
ですが実態は多分逆。資産が減っていくことを気にもせず、遊んでいる方など、殆ど居ないと思います。
 ブラブラ遊んでいたとするなら、(それは資産を賭けて)リスクに立ち向かったり、ひらめいたアイディアの対価として(リタイヤ後に)得た新たな収入が原資になっていると思います。
現役時代、余暇にボーナスの一部を充てて居たのと、全く同じ仕組みです。

 巷で言われているように、人間の欲望には果てがありません。
私もその端くれですので、一生暮らしていける(だろう)資産があっても、(減らすのは、理屈抜きにイヤ!)更なる積み上げを毎日狙っています。
 
 現行の資産積み上げ手段は株式投資なので、朝9時から15時まで。
米市場を含めると、ほぼ一日中、相場と向き合っているので、現役時代と時間の使い方は何ら変わりはありません。仕事が株式投資に置き換わっただけです。
 
 また、経営者時代、事業に社会的意義や責任は強く意識していましたが、生甲斐とまで思ったことは殆どありません。不動産やら副業に手を出していましたし、家庭も大切ですし、趣味も多数…きっと仕事以外で、生甲斐を見出していたのだと思います。
 
仕事が生甲斐ならば、何があっても続けるはずですしね…(^^; 
なので、私の場合、生甲斐もリタイヤによって揺れるものではありませんでした。

 結局、生活リズムとか心境とか、自分の中で調整出来ることについては殆ど変化はなかったと考えています。

 一変したのは、外面というか私への対応でしょうか。
特に(辞めたのですから、当たり前ですが)仕事周りの「社会的な信用」と称されるものだと感じています。
 
・仕事上の人間関係
 仕事関係者はリタイヤの瞬間から殆ど没交渉になります。
もちろん、人と人なので、こちらからアクションを起こせば応えてくれる方が大多数。改めて気楽な交友関係を結べたりもします。
 一方で、ビジネスライクに徹する方も一定数いらっしゃいます。かなり親密だったのに、その後の電話は非通知着信。私が知る必要のない情報は一切秘匿。確かに第三者的な立場なので、仕方ないことなのかも知れません。
まあ、機密保持義務もあったりするので、情報を悪用することも出来ないのですが…とにかく、私に信用が置けないのでしょう(^^;

・肩書
 私はリタイヤを見越し、自分一人の会社を立ち上げていて、肩書も名刺もあるので、この点での不自由は無かったのですが…
 ちょっとしたメンバーズカードでさえ、勤務先や役職記入欄があり、何と書けば…と淋しい気持ちになってしまうことは、容易に想像出来ます。
 無益なマウントの取り合いになることも多いこのご時世。
些細なことのようですが、肩書を失うことは(特にその肩書にステイタスを感じていた方や、マウントを取りたがる人にとっては、信用を失うことに直結するらしい…(^^;ので)大きな変化になるかも知れません。

・金融機関の対応

 現役時代は資産など殆どありませんでしたが、高年収かつ法人代表だったこともあり、金融機関では好待遇。億ションのフルローンであっても、何通りもスキームが用意され、審査もまさに形ばかり。ブラックこそ持ってませんが、年一枚のペースでゴールドやプラチナカードを勧められるがままに作っていました。
 リタイヤ後は、資産は桁が変わりましたが(節税のためもあり)給与収入は激減。代表する法人も中小から零細に…。
金融機関(地銀信金だと違うのかも知れません。メガバンクの話です)の対応も極端に変わり、ある意味、分かりやすくなります。
 別のブログでも書いたように、資産運用商品については、現役時代のつながりも絡めて、熱心、丁寧な勧誘が始まります。ですが、それに億単位で応えても、こちらからの要望はほぼ通らなくなります
 例えば…
    零細法人の融資は、担保を提示しても、担当者から返事なし。 
    個人の住宅ローンは(1000万でも)審査にすら上がらない。
    クレカはこれ以上必要ないですが…作れるのかな?    等々
 要するに「昔からの付き合いなんだから、ウチがボロ儲け出来ることだけ金払え! ただ、今後のお前の都合なんて一切知るか! このカモ野郎!」ということです。
担当者に言わせると「社会的な信用がねぇ…」ということらしいのですが(^^;

 偏狭な人と、マウンティングする人と、メガバンクの都合のために使われて…もっともらしい響きで、大切そうに聞こえる…私が失ってしまった

           「社会的な信用」

って、一体、何なのでしょうね? (^^ゞ 
この先、必要になることがあるのかな? wwwww

 


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