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プロ・トライアスリートの賞金事情

トライアスロンをする大半の人間はアマチュア、つまり市民トライアスリートということになりますが、一方でトライアスロンにはプロの世界も存在します。

普段あまり馴染みのないプロの世界ですが、その賞金事情はどのようになっているのでしょう。調べた結果をまとめてみました。

1. プロ・トライアスリートの収入源

プロの世界では大きく分けて、2つの収入があります。

 ①レースの順位によって賞金を勝ち取る
 ②スポンサーやチームから契約金を受け取る

②については選手それぞれの所属状況や個人のブランディング活動によって収入の幅は大きなバラツキがあるでしょう。その為、今回は①のレース賞金について考察していきたいと思います。

2. 世界大会における賞金

■IRONMAN
トライアスロンの花形とも言えるIRONMAN。その世界一を決めるのがハワイのカイルア・コナで行われるワールドチャンピオンシップ、通称KONAです。その賞金は以下のとおり。

 1位 120,000ドル(約13,000,000円)
 2位  60,000ドル  (約6,500,000円)
 3位  40,000ドル  (約4,300,000円)

KONA予選として世界各地で行われるIRONMANの賞金は、各レースのグレードや開催地域によって金額にバラツキがあるようです。優勝賞金は5,000〜30,000ドル。基本的に欧米で行われるレースは金額が高く、アジア地域では低くなっています。その地域でのトライアスロンの人気や収益性が影響しているのでしょうね。

■WTS(ワールド・トライアスロン・シリーズ)
ITUが主催するWTS(ワールド・トライアスロン・シリーズ)。こちらもIRONMANと双璧を成すプロ・トライアスロン界の世界大会です。その優勝賞金は以下のとおり。

 WTS Grand Final  30,000ドル(約3,200,000円)
 WTS Event     18,000ドル(約2,000,000円)
 World Cup        7,500ドル  (約800,000円)

IRONMANと比べると若干の見劣りを感じてしまいますが、これはレースとしてのブランド力も関係しているのでしょう。さらにWTSは基本的にオリンピックディスタンスで行われるのに対して、IRONMANはロングディスタンス。距離の長さがそのまま選手への見返りに直結しているのは面白いところです。

3. 日本人トライアスリートの実績

2016年、プロで活躍する上田藍選手が推定獲得賞金で日本人トライアスリートとして初めて1,000万円を越えました。

上田選手はWTSのレースをメインに活動していますが、上記で紹介したとおり、世界大会で何度か入賞を重ねたとしても、年間1,000万円を越えることがいかに難しいかはお分かり頂けると思います。

高いレベルでの競技能力をコンスタントに維持しなければ達成することができない実績でしょう。このシーズン、上田選手は年間ランキング3位という輝かしい成績をおさめました。

4. まとめ

以上、プロ・トライアスリートの賞金事情でした。僕のようなサラリーマンの市民トライアスリートにとってはウン千万、ウン白万という賞金は夢のような金額なので、プロの世界はやはりレベルが違うなと憧れてしまいます。

しかし一方で、これがトライアスロン界の上限なのかと現実的な感想を抱かざるを得ない部分もありました。日本でトップクラスに稼いでいる選手でも1,000万円レベル。。。

プロスポーツ界、特に野球やサッカーでは数億円という契約金を受け取る選手が多数存在します。そんなメジャースポーツと比べてしまうのは酷かもしれないし、一概には言い切れないとは思います。しかし、トライアスロンで得られる収入というのはプロスポーツの世界では決して高いものではないのでしょうね。

まだまだ世間的にはマイナースポーツであるトライアスロンですが、人気を得て裾野が広がることで、レース賞金やプロ選手の収入も高まっていくことでしょう。トライアスロン愛好者として、この素晴らしい競技にさらなる陽が当たることを願っています。

なお、この記事内容については僕のYouTubeチャンネルでも動画解説をしています。よかったらYouTubeの方もご覧ください!


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