世界各国の食を巡る:イラン編
東京近郊で、世界各国の料理を食べようシリーズ。
ことの発端とあらましについては、過去回を参照。
少し前にポルトガルに行ってどっぷりポルトガル料理に浸かっていたので、あまりこのシリーズになるような体験をしなかったのだけど、久しぶりに。
訪れたのは、神奈川にあるインド・アラビア料理店。昔何度か行ったことのある店だったのだけど、その後メニューが変わったりしてペルシャ料理がなくなったり、全然別の業態になったりでもう行くこともないかな、と思っていたのだけど。
久しぶりに店の近くまで寄る機会があって久しぶりに調べてみると、なんと店名が変わってリニューアルオープンしつつ、ペルシャ料理がいろいろ復活している。これは行ってみるしかない。
看板が真新しくなっているけれど、それ以外は昔と同じ。やや早めの時間に行ったこともあって、先客はひとりもいない。
メニューの表面はふつうのインド料理店らしいラインナップなのだけど、
裏面になると、なんだか不思議な取り合わせ。でも、一番下を埋める中東系の料理たちがかなりの異色。そうそう、こういうのがあったんだよなあ、と嬉しくなる。
前の店で、唯一食べれていなかったゼレシュクポロをオーダー。
やってきたのは、大きな更に盛られたバスマティライスとカレーのようなスープ。
単にライスだけ……? と思いきや、
ライスの下にはチキンレッグがまるまるひとつ、隠れている。
このチキンレッグ、骨まで食べられるくらい柔らかく煮込まれていて、スパイス感はかなり控えめなのでシンプルに旨味が感じられる。
付け合せもスパイシーなカレーかと思いきや、ほぼ純粋なトマトスープと言うかソースで、鶏肉の旨味も合わさっているのかも。
鶏肉の旨味とゼレシュク(バーベリー)の甘酸っぱい酸味、バスマティライスの軽い食感のトライアングル。とてもシンプル。だからこそ、どこまでも食べていけそうな滋味深い美味しさ。
これは後で店員さんに聞いたことなのだけど、これはイランの料理で、イランではインドのようにスパイスを多彩に使うような料理は少なく、とてもシンプルな味付けのものが多いらしい。なるほど、そういうことなのか。なんとなく中東のあたりだとどれもスパイスを結構使うイメージがあったので、そうでないところもあるのだな、と。
食べていと、料理人のインド人さんが声をかけてきた。
「前に〇〇(近くの別のインド料理屋)に来たことあったでしょ?」
言われて記憶を探る。ああ、確かに1回だけ行ったはず。もう7~8年くらい前になる気がするけど、よく憶えてるなあ。
そこからちょっとトークタイム。このお店のこととかについて伺う。
なんでも、以前の店ではイランの料理人さんが居たのだけど、途中から居なくなってしまい。少し前に今の社長(インド人)がこの店を買って、別の名前でリニューアルオープンさせた、という経緯らしい。
確かにこの店の変遷とぴったり合ってる。そういう経緯だったのか。その社長は、この近辺のインド料理屋や食材店を複数まとめて扱っているそうなので、だから他の店とかの話が出てくるのか、なるほどなるほど。
彼はそのイランの料理人さんと7年くらい一緒にやっていたので、アラビア料理はそのときに習得したらしい。味はちゃんと引き継いでるよ、と。
それは嬉しい。ここのカバブ類は美味しくてとてもボリューミィだったので。そして値段もかなり良心的。きっともっとアクセスが良いところなら、かなりの値段になってしまうのでは、というくらいのボリュームがあった、はず。
そもそも郊外でもあるし、さらに駅からも歩ける距離とは言えないくらい遠い場所なのだけど、だからこそ値段がかなり抑えられているのかも。
今度は安定して長く続くことを祈って。
このタイミングで再訪できて良かった。
美味しくて楽しい、良い時間を過ごせたことに感謝。
ごちそうさまでした。
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