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[旅行記] マデイラの現状

マデイラへ来る人たちの目的は、もちろん様々だとは思うけど、ほとんどの人はリゾートあるいはアクティビティを求めてやってくる。

アクティビティはマデイラの主要な観光資源。海と山がとても近くにあって、しかもマイクロクライメイト(局所気候)で景色は様々に変化する。高く急峻な山はハイキング~登山にうってつけ。しかもどのルートも個性的で、それぞれに凄い景色がある。海はビーチこそないものの、クルーズにダイビングにとひと通りはなんでもござれ。小さい島なのに、遊びつくそうと思ったらどれだけの時間がいるのかわからないくらい。

これは人気が出るわけだ。

自分の目的はというと、もちろんアクティビティも気になるのだけど、それとはちょっと別のところにあって。それは、ここがマデイラワインの生産地だから。

「お酒の生産現場を訪ねる」というのがライフワークみたいなことになっている自分にとって、酒精強化ワインの一角であるマデイラワインはやはり気になるものだった。その起源の場所というのが、こんなに遠い場所だったので今まで躊躇していたのだけど、今回まとまった休みが取れて、これはもう行ってみないと、という。

もちろんヨーロッパの人たちにもかなり知られているマデイラワインなので、ツアーへの参加者はそれなりに。特に有名どころである Blandy's は、フンシャルの目抜き通りに構えていることもあってツアー参加者はかなりの数だった。

一方で、マデイラワインの中では最小クラスの規模である H.M.Borges では5人程度の小規模ツアー。

いずれにしてもツアーガイドには結構いろいろと質問できる近さなので、どちらも細かいところまで教えてもらうことができた。けど、やっぱり生産現場を細かく見れたのは H.M.Borges の方だった。

マデイラワインの生産者は11程度で、トップ3社あたりが非常に大規模。そしてツアーをやっているところもあれば非公開のところもあり、またツアーをやっているといっても生産は別の場所だったり。

純粋に資料説明とテイスティングルームだけといったものもあるし、ツアーの中には実際のブドウ農園へ向かうものもあったりするので、もし興味があって参加する場合にも、何を体験したいのかでツアー内容をよくよく考える必要がある。

ツアー代金は、一番下のもの(通常のツアー説明と試飲)が15ユーロ程度から20ユーロ程度。試飲できるグレードが上がっていくにつれて値段も上がる。


リゾート、という側面について。

冬暖かく夏も30℃くらいが上限、というくらいの気候はヨーロッパの特に北の方に住む人には憧れらしい。滞在中に会話することになったドイツ人の40代くらいのグループが、まさにそういう人たちだった。

コロナ直前に日本にも来たことがあるという彼らは、5年ほど前にドイツからマデイラに移住したという。なんで移住したの? と訊いたら、「この気候があるからだよ」と。どれほどの検討があったかは分からないけど、移住できる選択肢とお金を持っていることは素直に羨ましい。

フンシャルの沿岸は格好のリゾートスペース

マデイラの中心であるフンシャルは、どこも建設ラッシュだった。海辺は特に集中的に、少し離れた場所にもたくさんのマンションが建設中。かなりオシャレでラグジュアリーな見た目をしている。値段を見てみたら、とんでもない額だった。海辺のリゾートではない中古のマンションでも、日本では何%が買えるだろうか、というくらいの金額で驚き。

ヨットハーバーも多い

建設ラッシュな現状について、ステイ先のおふたりに訊いてみた。

もうかれこれ10年以上は開発は続いているけど、このような建設ラッシュはここ5年くらいが特に凄いこと。

誰が投資しているのか、というと政府がかなりの誘致をしている(のではないか)ということ。

特にヨーロッパからの移住者が多く、フンシャルだけではなく少し先のポンタ・ド・ソル(Ponta do Sol)あたりもかなり人気らしいこと。

こんなに建設ラッシュで、交通渋滞とかも結構凄そうだけどどう思ってる? と訊くと、「やっぱり君もそう思うかい?」と。昔から住んでいる人にとっては、やはりあまり良くない感情があるらしい。特に道路の渋滞や市街地の人混みには辟易する場面も多いとか。

オーバーツーリズムならぬオーバーイミグレーション。難しい。

この明かりの多さが、人の多さとイコール


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