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指定席は不自由席で芝生席が自由席

#33

ホームランボールをキャッチしたことはないが、
西武ドームで見た山川穂高のプロ初ホームランは
自分史上最もホームランボールに近づいた瞬間。
You Tube の検証動画を見ると約2メートル。
幼い頃、テレビで見た神宮球場は芝生席だった。
神宮球場の芝生席には行ったことはないけれど、
甲子園のアルプス席の薄汚れた長椅子に
父と寝転がって観戦したことがある。

自由席はボールを走って追いかけられる席だ。
大人になって旅の途中で立ち寄った
香川のオリーブスタジアムは芝生席だった。
岡田二軍監督時代のファームの試合で
外野席はホームランボール取り放題の貸切状態。
裸足になってバックパックを枕に大の字になる。
照明灯の影が日陰になり影に沿って席を移動し、
日差しを避けつつ、西に傾く太陽と、
追いかけっこしながら試合を眺めていた。
色落ちしたデニムのような青空と入道雲の
隙間から陽炎のようにマウンドが見える。
いつの間にか眠りに落ち、寝ているのか、
目覚めているのか、わからない夢心地。

打球音と歓声でふと目を覚まし、
また、まどろみに誘われるの繰り返し。
超満員で盛り上がるスタンドもいいけれど、

閑古鳥が鳴くスタンドにも味わいがある。
牧歌的で懐古的な昭和の地方のパ・リーグ感。
応援団の場所取りと、にわかファンが増え、
いつの間にか長椅子の自由席がなくなっている。
気がつけば外野席もすべて指定席になっている。

ファンサービスはいらない。
自由席があれば何もいらない。

今週の虎党の呟き😊

ファウルボールならゲットしたことあるけど。


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