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そうだ珈琲屋になろう その7

沖縄から帰った私は就職先を探す生活となる。

会社を退職する際、会社理由として退職したので幸いにも翌月から失業保険が出た。

当時は最大3か月だったので、本当はいけないのだが3か月はゆっくりしようと決めていた。

だからこそ沖縄にも長期で行けた訳で、帰ってきた時点で残り1か月半。

就職先が見つかる保証はないのだが、この先の人生で数か月も働かなくていい日が来るのかわからない。

折角なので今度はフランスへ長期旅行を計画したのだ。

当時彼女が仕事の切り替えもあって、偶然的にお互い自由な時間が作れた。

彼女の方も学生の頃フランスで学んだ経験があったので、フランス旅行を常に考えていた。

私としてはフランスの言葉も地理も全く分からなかったので、彼女と行くのが必須。

条件もそろったので、格安航空と現地のアパートメントを借り、旅行をすることとなった。

私の中ではただの旅行ではない。

フランス・パリといえば「カフェ文化」。

日本よりもコーヒー文化は古い。

歴史的にも重要なカフェもある。

そして何より初海外にほぼ初めて異国の人との交流。

沖縄のときに経験した感覚をまた味わいたい感情にもなっていた。

きっと自分にとって良い経験になるはずと心躍らせていたのである。

私は沖縄旅行の時に感じたことがあった。

その頃コーヒー屋を開業する為に、とにかくコーヒースキルを上げなくてはいけないと必死だった。

コーヒーに関係ないことはどうだって良いと思ってたくらいだ。

だがよくよく考えれば、お店をやるということは珈琲とは関係ないことも沢山する。

沖縄で色んな人とふれあい、色んなものを食べ、色んな所に行き、色んな事を感じた。

コーヒー屋としてではなく自分の人生として考える事もあった。

自分には足りないことが沢山あることにも気づき驚いた。

たかがフランス旅行ではあるが、自分にとっては大きな船出な気分だったのである。

(つづく)




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