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マッチングアプリで愛が生まれない理由と、愛を探すべき場所。

「恋人が欲しくてマッチングアプリを使っているが、なかなか良い人がいないし、作れても長続きしない」という相談をいただきます。

マッチングアプリはコロナ禍になって一気にユーザーが増えた印象があります。あなたも人の顔を左右にスワイプした経験があるのではないでしょうか

マッチングアプリ経由で生成される人間関係に愛が育まれない理由と、そのような人間関係をどこで構築するべきか考えていきます。

健全な愛情は、互いに尊敬し合える対等な関係性において生まれる

あなたにとって理想の相手がいたとして、どうしたらその人と継続的に良好な関係を築けると思いますか?

それは、相手を一人の人間として扱い、敬意を持って接することです。これは恋愛関係に限らず、家族や友人、同僚など、あらゆる人間関係に共通して言えることです。

逆にいえば、あなたが他人をナメてかかり、格下として扱い、不遜な態度を取れば、関係性はたやすく破壊されます。

誰だって、自分を下に見たり、自分を支配しようとする人とは仲良くしたくありませんよね?良好な関係を作ろうとするならば、お互いを尊重し合う意識が必要不可欠なのです。

しかし、この重要な「対等な関係」が、マッチングアプリでは作れないのです。

マッチングアプリは、人をモノとして扱い、自分がモノとして扱われることを強制される

マッチングアプリを利用した経験のある人ならお分かりの通り、アプリは複数人の相手と同時並行してコミュニケーションを取ります。

顔やプロフィールが自分と合いそうな相手を見つけ、マッチした相手とメッセージをやりとりし、デートの約束を取り付け、実際に食事に行く。これを特定の一人ではなく複数人相手に同時に行うのがマッチングアプリです。当然、やり取りする相手が増えるに従い、時間もお金も精神的リソースも消費していきます。

そのため、ユーザーは相手を評価し、定期的に関係を断ちます。「この人は返信が遅いからいいや」と相手を切るし、「最初はランチだけにしよう」「会ってみたら顔が微妙だったからブロックしよう」と相手を評価し、「予定がバッティングしたからこっちはドタキャンしよう」と、まるで家電製品を買うように比較検討します。そしてこのような行為が日常化していく。これこそ、マッチングアプリで対等な関係が築けない最大の理由です。

相手を比較し、品定めし、吟味する。これは人を人ではなくモノとして扱う行為です。あなたは自分をモノ扱いする人と仲良くしたいと思いますか?

マッチングアプリは、このような「相手の道具化」を互いにやり合うようにできています。これでは、互いを尊敬し合う対等な関係など生まれるわけがないのです。

一度相手を「道具」として見たら、その意識は一生消えない


「スタートはそんな感じでも、付き合ってから切り替えればいい」と思っているかもしれませんが、相手を一度でもモノとして扱った以上、もうあなたの中で相手を同じ人間として見ることはできません。

「マッチングアプリで結婚までいった人がいる」という反論もよく耳にします。しかしこの反論もズレています。問題は「他者と対等な関係を築けるか」であり、「結婚できるか」ではありません。

ぜひマッチングアプリで結婚した人に聞いてみてください。「アプリ上で結婚相手を品定めし、まるで家電製品を買うようにモノとして比較したのか」と。「そこに罪悪感を覚えなかったのか」と。その時の彼女/彼の顔をよく見てください。それが答えです。

彼女/彼はその罪悪感と、同じことをしたであろう配偶者に対するうっすらとした不信感を抱き続けます。

これは人格の問題ではなく、マッチングアプリの構造上の問題なのです。

恋愛以外の目的を持って活動すればいい

これまでの内容で、打算や作為が入った途端に関係性が破壊されるとご理解いただけたと思います。

マッチングアプリにひとしきり絶望したところで、健全に愛し合える相手を見つけるにはどうしたらいいか。心得るべきは「愛は偶然性の中でしか生まれない」ということです。

キャリア論の世界で「計画された偶発性理論」という言葉があります。ざっくり説明すると「キャリアの8割は偶然の出会いで決まる。だからなるべくたくさんその”偶然”に遭遇するように計画して動こう」という理論です。

恋愛においてもこの理論が応用できます。
要するに、偶然の出会いが発生しそうな出来事になるべく顔を出せば良いのです。

「それってアプリで出会うのと何が違うねん」とツッコミが来そうなので補足します。
アプリで出会うのは偶然ではありません。「恋人を作る」という目的のもとに会っている以上、前述した打算が必ず発生します。合コンや異業種交流会という名の出会い系パーティーなども同様の理由でやめた方がいいでしょう。

つまり、恋人を作る以外の目的での集まりに顔を出しましょう。なんでもいいです。ボランティアグループでもいいし、趣味の集まりでもいいし、友達同士でのゲーム大会でもいいです。とにかく一旦恋人探しを脇において、別の熱中できる何か別の目的を見つけ、それを目的に大勢と交流しましょう。その中で必ず互いに尊敬し、愛情を持てる相手が見つかるはずです。

昔ながらの面白みのない解決方法だと落胆した人もいるかもしれません。けど、食事制限と運動以外で痩せる方法がないのと同じで、あるいは英語を話せるようになるには勉強と実践しかないのと同じで、物事の正攻法は得てしてつまらなく、ありきたりに見えるものです(逆に簡単で刺激的な方法はほとんどが嘘と詐欺なので気をつけましょう)。

最後に、「とは言っても、出会いもないし、やりたいこともないし、誘ってくれる人もいない」という人へのメッセージです。

あなたにないのは出会いではなく、人間関係を広げる努力と、関係性を変化させる勇気です。

通勤や通学の途中でいつも会う人はいますか?職場や学校で会話をする人はいますか?一緒に遊ぶ友達は?愚痴を聞いてくれる家族は?

どれか一人でもいるなら、人間関係はいくらでも広がります。

話したことのない人に声をかけてみる。一緒に遊んだことのない人に声をかけてみる。いつもの友達に誰かを紹介してもらう。あなたがちょっとでも勇気を持って行動すれば、必ず交友関係は広がります。恐れずに、自分でできることから、自分のペースで少しずつ広げていきましょう。

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