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羊文学という文学

羊文学というスリーピースバンドをご存知だろうか。今日は羊文学について語るとともにいくつか曲を紹介したい。
僕は古参と言うわけではないが、羊文学の書く詞と奏でるメロディーがとても好きだ。

羊文学はVo.Gt.塩塚モエカさん、Ba.河西ゆりかさん、Dr.フクダヒロアさんでなるバンドで、女2男1のバンド編成でそれぞれが一癖ある。
1番有名な曲は「1999」で、クリスマスソングとしても知られている。昨年はTHE FIRST TIKEに出演したり、アニメ「平家物語」のOPテーマを担当するなど、活躍の幅を広げている。

THE FIRST TIKE にて
「あいまいでいいよ」を歌っています。
是非!


モエカさんの容姿は美人で身体がとても華奢で女の子らしい。インタビュー等のトークはとても緩く穏やかな雰囲気だが、バンドになるとエフェクターで音を歪ませ、ジャガーを掻き鳴らす力強い演奏のギャップに心奪われる。
そして何よりも声の透明感が半端ない。

ゆりかさんもモエカさんと同じでインタビュー動画をみると凄くふわっとしている。ベースの指弾き動きがかなり特徴的で、コーラスの安定感もすごい。

そしてヒロアさんはとにかく髪が長い。笑
前髪で目が隠れていて、ドラムセットを視野に入るところにしか置かないらしく、ぎゅっとなっている。
髪が長く、女の子だと思ったからバンドに誘ったと言うモエカさんの話も面白い。笑


インタビューにて。モエカさん
「女の子かなと思って声をかけたけど、女の子に見えるからいいかなと思って。笑」


いつもモエカさんとゆりかさんが衣装を合わせてくるのに対し、ヒロアさんのみ我が道を行くと言う衣装なのも特徴的なバンド。

そんな羊文学のはちゃめちゃに良い歌をアルバム「our hope」から3曲だけご紹介。

「マヨイガ」

羊文学の音楽はイントロにも魅力がもある。
SNSが主流の時代は、イントロがない音楽のほうがキャッチーでバズりやすい。しかしこのマヨイガはイントロが約一分もあるのだ。
最初はギターのみで始まり、徐々にドラム、ベースと音が重なっていくような音作りをしているため、一音一音がわかりやすい。
そして歌詞がいつも素晴らしい。

行け、行け その明日がきみを苦しめようと
行け、行け 痛み知る優しい人でありなさい

傷つくことを恐れないで前を向いて。そんな風に背中を押してくれるような歌詞が詰まっている。中でも

でっかい夢も綱渡りの不安も
話してごらん未来を今、始めよう
 萌ゆる草木のように逞しく生きて 傷ついたら泣きなさい

「萌ゆる草木のように逞しく生きて 傷ついたら泣きなさい」 という知的な比喩表現がたまらなく好きである。
こんな調子だと愛が止まらないので次から手短にいこう。

「くだらない」

このMVはモエカさんがコマ撮りで映し出されるのみのMV。
MVも歌詞もメロディーも、伝えたいことを聞き手側に想像させるような作りをしている。曲調も盛り上がる部分はない。

なんでもあるようでなんにもないの 本当に
欲しいもんはないの 心にぽっかり 
なんで なんで なんで? もうわかってる

この歌詞のように、曖昧な表現が多い。そして

聞き飽きたラブソングを僕に歌わせないで

という歌詞。この歌詞はモエカさんがレーベルの人に「恋愛ソング作って」と言われて少しムカついてできた歌詞らしい。そういうとこも好きだ。

「金色」

この歌はyoutubeに載っていないので是非CDで聞いて欲しい。このアルバムの中で1番好きな歌だ。
コード進行が少し変わっていて、不安定で少しでも触れたら崩れてしまいそうな、そんな頼りない心情を想像させるメロディー。
この「金色」はメロディーも抜群にいいが歌詞が何より良い。

彼女の人生は金色 真っ白な照明の下で
きらきらと反射した きらきらと反射した光

"彼女"というのは憧れの人とか、キラキラしている人のことで、これは誰にでもいる存在ではないだろうか。この歌詞はそんな"彼女"と"私"を比べてしまう歌なのだ。

そしてこの歌のサビ

満足してるよ、人生の大体の部分では
でも少し、あと少しの安心が欲しい

窓際で眠る猫みたいに
陽だまりに溶けてゆく毎日が欲しい

ここのサビの歌詞が最高に好きだ。
別に人間関係でも、仕事でも、人生の大体の部分では満足してるけれど何か、何かが足りない。それを足りないと言うのでなく、あと少しの安心が欲しいと表現している。

「窓際で眠る猫みたいに陽だまりに溶けてゆく毎日が欲しい」
羊文学の書く詞はいつも言葉にできない感情を言葉にしてくれる。

他にもたくさん聞いて欲しいオススメの歌があるけれどこの辺で!!!
皆さんの好きな歌も教えてください!

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