見出し画像

300日後に校務分掌ICT主任を引き継がせたいアラフィフおじさんの引き継ぎ書の下書き 19 AT/AAC→ICT③

AT/AAC層とICT層の違いとは、あえて言えば、本人の身体的機能や能力のエンハンスメント的な面と、学習上の能力発揮による学力向上的な面の違い、になるかと考えている。
どちらも特別支援教育においては重要であるが、批判覚悟で言うならば、学力向上の面を最重要視していないのが、特別支援教育の界隈なのではあるまいか。

GIGAが始まり、小学校、中学校では、盛んに情報活用能力、個別最適化、協働的な学びと言ったことが叫ばれて、それに向けた取り組みが進められているのを実感している。
だが、特別支援教育界隈では、その語調はそれほど強くなく、本人のエンハンスメントとQOLに軸足があり、学力を伸ばし、いわゆる勉強ができるようになっていくこと、は、まあさて置いて、という空気があるようなないような。

よって、AT/AAC層は、勉強以外の面で本人らしさを伸ばしていきましょう、だから本人の能力をエンハンストしていきたいよね、そこにICT活用できるよね、という考え方なのかと思う。
ICT層から入った人たちとしては、勉強できるようにしてあげたいよね、分かりやすくすることがICTを活用すればできるよね、というイメージがあるのかと思う。

これをもう少し別の言葉で言えば、合理的配慮的な活用なのか、情報活用能力的な活用なのか、というキーワードになるのかもしれない。

普通学校では、情報活用能力的な活用を前面に押し出すことが、GIGAの時代は正解と言っていいだろう。むしろ、これ一択であっていいと思う。
これが、特別支援教育界隈なら、合理的配慮的な活用と、情報活用能力的な活用は、両輪にして、一体的なものとして使いこなすものだと、主張しておきたい。

が、これまでの特別支援教育の流れや空気感から、AT/AAC層および伝統的な取り組み方として、合理的配慮的な活用のウェイトが大きくなりがちではないだろうか。情報活用能力的な活用は2の次かな、できる子だけやればいいんじゃない、という空気が漂っているのではないだろうか。

まあ、なんにせよ、活用しているなら評価に値するとは思うが、合理的配慮的な活用と情報活用能力的な活用は、それぞれをしっかりと認識された上で、その理論と原理を正しく理解して、「ICT活用」を推し進めることが、基本中の基本だと、強く言っておきたい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?