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精霊の舎-49(連続短編小説)

「ああ、私の知識の範疇の
ことではない。
今こそ、マギの想像力が必要だ。
この時のために、
今までの謎解きに対して
答えを教えることを
禁じられていたような気がする。
本番だよ、マギ。
全てはこのために仕組まれていた、
なんて思えてくる。
この謎を解いたら、私たちは
どこへ行きついてしまうんだろうって」

マギはくすっと鼻で笑った。

「世の中、わからないことなんて
山ほどあるのよ。
精霊だって、きっと時には
思ってもみなかった謎にぶち当たる。
さぁ、考えてみましょうよ、ホンナ。
さっきの夢について。
そして、あなたと私と・・・
カイの関係について」

マギとホンナは、
しばらく見つめ合った。

同じ疑問が今、
二人の中に湧き上がったのだ。

やっとマギが口を開いた時、
空気がゆれた。

「・・・カイは・・・どこ?」

時空を超えて、二人はまた、
夢の中に引きずり戻された。

ホンナはどうにか
マギを守るように腕に抱き、
時間と空間の壁を抜けていく。

「くそ、誰が仕組んで、
こんなことが起こるんだ!」

                 続


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