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ヘルスケア情報#6 バーチャル臨床試験⑤:オンライン診療

みなさんこんにちは!
ヘルスケア業界(CRO)で新規事業の仕事をしている、ヒロシズです。

今回は、バーチャル臨床試験に関してよく話題に挙がる、オンライン診療について、臨床試験の視点から紹介・考察していきたいと思います!

以下のような方(就活生・社会人)にとって参考となればと思います。

・バーチャル臨床試験の中身について少し具体的な話を知りたい
・オンライン診療の基本的な情報を知りたい
・オンライン診療システムを知りたい
・ヘルスケア領域(臨床試験など)での、今後のデジタル導入について必要な考え方を知っておきたい

なお、バーチャル臨床試験の概要については、以下の過去記事を参照ください。

では、本編ですー!

①オンライン診療関連の指針・通知

オンライン診療の実施において重要な指針・通知について、今回は2つ紹介します。

一つ目が、オンライン診療の適切な実施に関する指針です。
この指針には、オンライン診療に関する様々な情報が記載されています。
例えば、以下のような記載があります。

・指針に出てくる用語の定義:遠隔医療、オンライン診療、オンライン受診勧奨、遠隔健康医療相談の違いなど
・「オンライン診療」と定めている範囲
・オンライン診療の提供体制

私自身も、オンライン診療の臨床試験への導入に向けて、この指針は何回も読みました。
指針…というと堅苦しく聞こえるかもしれませんが、この指針、個人的には結構わかり易い部分も多く、「そもそもオンライン診療って何?」を知りたい人にもオススメです。
(以下は関連ページのリンクです)

二つ目は、新型コロナウイルス感染症の影響下での医薬品等の治験実施に係るQ&Aです。
ただ、こちらは過去記事で紹介しているため、そちらを参照ください。
(手抜きで紹介していないわけじゃないですよ!!!)

②オンライン診療×臨床試験のサービス

昨今、オンライン診療に関するサービスは非常に多くの企業がリリースしております。
(私自身、全てのサービスを把握できている自信がないです…笑)

今回は、私が知っている範囲の中から、臨床試験に関与しているオンライン診療サービス2つに絞って紹介したいと思います。
(具体な使用事例は割愛します)

まず、株式会社MICINがリリースしている、臨床開発向けデジタルソリューション「MiROHA」です。

MICINはオンライン診療サービスcuronを提供している会社ですが、治験用のデジタルソリューションとしてMiROHAを開発されたようです。
また、このMiROHAですが、HPに記載がある通り、オンライン診療機能のみならずeSource機能(いわゆるデジタルワークシート機能)を有しております。
治験でMiROHAを使えば、オンライン診療だけではなく、治験中のデータ記録にも使えるというということですね。

二つ目は、株式会社インテグリティ・ヘルスケアがリリースしている、疾患管理システム「YaDoc」です。

インテグリティ・ヘルスケアは、疾患管理システムの提供を事業としており、そのシステムがYaDocです。
このYaDocですが、オンライン診療機能のみならず、患者データのモニタリング機能や、オンライン問診機能(ePRO)が搭載されていることが特徴かと思われます。
また、YaDocの紹介ページを見ますと、臨床研究等での活用事例もいくつか紹介されています。

今回はMICINとインテグリティ・ヘルスケアの紹介のみにしましたが、オンライン診療サービスは、とても多くの会社がサービスリリースをしており、しかもサービスによって特徴が異なります。
本当は私が知っているサービスを一つずつ丁寧に紹介していきたいところですが、それをやると1万字を超えそうな気がするので、今回はココで止めておきます笑

③オンライン診療等を臨床試験に導入する際の必要な考え

ここからは、私の経験に基づき、お話していきます。
よく同僚やヘルスケア界隈のTwitterのフォローワーなどから聞くのが「自分はいまオンライン診療に携わっているわけではないが、今後のために何かやっておくべきことはあるか?」です。

これに対する私からのオススメの一つは、「医療機関や患者など視点からの診療フロー(とできれば課題)を正しく理解すること」です。
これ、非常に大事だと思っています。

前章で紹介したMiROHAとYaDocのみならず、様々なオンライン診療システムで共通して言えることは、通常の診療フローに適合するような形で作られている、だと考えております。
単に診察方法をオンラインに置き換えるのではなく、医療機関は患者の診察までに何をする?医師は診察中に何をする?医療機関での決済フローはどうなっている?患者は受診までに何をする?を明確にした上で、そのなかでの課題を解決するために、通常の流れに沿う形でシステムを導入していると思います。

システムを構築するのは、IT企業やそれに詳しい人が対応するのはもちろんですが、彼らのみでは「通常の診察フローの詳細」を把握するのは難しいでしょう。
そこで活きるのが、我々のような実際の医療現場でのフローをイメージできる仕事に携わっている人々の経験です。
個人的には、この経験は今後ヘルスケア分野で働くにあたって、大きな財産になると考えています。

今後、オンライン診療のみならず、ヘルスケアや医療にはデジタル化の波が一気に来るかと思います。
しかし、それらは飛び地で機能するわけではなく、既存のフローにフィットする形で入ってくると考えています。
そのためにも、いま関連する仕事に携わっている方は、例えば「被験者や医療機関は、治験の来院時にどんな動きがあるの?」を日頃の業務を通じて理解しておくと面白いかもしれないですね。

さいごに

いかがでしたでしょうか?
最後の私の考えの部分は、就活生や社会人の皆さんの参考になればと思います!

なお、Twitterでもヘルスケア最新情報や仕事を通じて得た考え方など、雑多に呟いてますので、ぜひフォローください!

また、過去のヘルスケア関連記事は、以下からご参照ください↓

では、また次回!

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