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リーフおまけレビュー まとめ

ちょっと前に、リーフのレビューを出した(ような記憶がある)。
リーフで2回とも夜中に走り回ったのだが、そこで見えてきたEV、ことリーフの、しかも40kwモデルのいい所悪いところを、徒然なるままに書いていく。
今回は、リーフの、クルマとしての側面ではなく、マイカーとして運用していく話のまとめをちょろっとだけしていきたいと思う。

「電気自動車は使い物にならない」のか

ネットで散見される意見。
「ガソリンなら1分、2分で補給できるのに、EVは30分も拘束されるから使い物にならない」
「航続距離500はないとキツい」


正直わかる。ただのCセグハッチバックとしてリーフを見た場合、MAZDA3であれば1.5Lのガソリンモデルでも500km、ディーゼルであれば1000km近い数値も見えてくる。シビックでも同様だろう。なんならシビックならe:HEVモデルであれば、EVに近い乗り味を、一度のエネルギー補給でより長い距離はしることができてしまう。

となると、リーフの立場がなくなってしまう。ただ、リーフの一番の利点は、「わざわざガソリンスタンドまでいく必要がない」ことだ。出先の道の駅やサービスエリアでの休憩はエネルギー補給の時間になる。また、持ち家やマンションに充電器がある人は、家に帰ってきてそのまま充電器に繋げばエネルギー補給できてしまう、つまりなんでもない一般家庭が、ガソリンスタンドと同じような機能を持てるということである。しかも寝ている時間を充電に充てることができるというのは、帰り道の途中にガソリンスタンドがある場合でもない限り、かなり合理的な選択になるのではないだろうか。

ここからは体験談なのだが、電気自動車は充電に時間がかかるから実用性がない、というよりは、むしろ急速充電が30分しか使えないから微妙に実用性がないというのが正しいのかもしれない、ということである。
というのも、2回とも深夜帯だったこともあり、充電待ちもなく、スムーズに充電することができた。なお、基本的に現在の道の駅では大抵の場所に充電器が設置されているので、いわゆる充電ができなくて詰む状態にはなかなかなり得ない。

ちなみに、今回車をお借りした神戸市周辺だけでも、地図が見えなくなるほどに充電器はある。

30分で充電自体は終わってしまう

200Vならまだしも、リーフの40kwのバッテリーを、200Vにつなぐというのは、時間がかかる割に充電量は少ない。よって、普段の買い物程度ならまだしも、長旅の際は躊躇わずに急速充電をメインにして使うのが良い。ただ、急速充電の良くないところは、30分で終わってしまうということである。

30分もかかるのか、30分しかないのか

30分もかかるというのは、正直ガソリン車ベースだと話にならない。ガソリン車でエネルギー補給で30分も停滞なんて、大晦日にみんなが一斉にガソリンを入れに来る時くらいだろう。普段であれば、給油してさっと洗車しても、拭きあげ込みで30分かかるかくらいだ。
ここで重要なのが、電気自動車にエネルギー補給専門の施設はほぼ存在しないということである。家も設備さえあればエネルギー補給できる。道の駅もできる。もちろんエネオスでもできる(使ったことはないが)。先述の通り、空き時間は充電時間に充てることができるというわけである。

その30分、とりあえず充電器に繋いで中でYouTubeでも見ながら雑談するのもよし、1人でゆったりするもよし、タイムズカーでちょっとドライブするもよし、何かお散歩がてら見に行くもよし。ご飯をゆっくり食べようと思うとちょっと足りないかも。
意外と30分というのはそんな感じで休憩しているとすぐ済むものである。
逆に急いでいる時の30分というのは長いのだが、その場合は事前に早く出たり、前日に充電する、あるいは別の車を借りる、などの手間がかかることはある。

充電の際の注意点

充電の際に意外と足枷になることもある

バッテリー温度

これは急速充電する際は特にだが、バッテリー温度との戦いはリーフの40kwにおいては大きい。冷却機能がない、というか空冷なのが一番の味噌なのだ。確かに通常走行する分には空冷で十分なのだが、だとしても200Vならともかく、急速充電する際は常にバッテリー温度は気にかける必要がある。じゃないと最悪充電させてくれなくなることもあるようだ。

20%ほどから充電すると、60%くらいまでは回復するが、通常から2セグ分くらい(半分より少し上くらいまで)は上がる。
この辺りはスマホのバッテリーと同じように、あまりにも低いところから急速充電をやってしまうと、どうしてもバッテリーの温度はアツアツになる。iPhone14じゃないんだからとも感じるが、実際にスマホのバッテリーは20%切る前に充電して、80%くらいになったら充電をやめた方がいいというのは聞いたことがあるが、車でもそれは一緒なようだ。それでいて車の方がバッテリー容量は圧倒的で、なおかつスマホ同様空冷で、冷却機能は無しだ。

となると、充電する際は、スマホ以上にシビアになる必要がある。使っても40%くらいまでに押さえておいた方がよさそうだ。実際下道+高速編では、後半は50%切ったら充電するように注意していた。そうすると、あからさまにバッテリー温度が上がらなくなって来たのだ。

バッテリー温度に関してもうひとつ。走行で下がるかと思いきや、思った以上にバッテリー温度は下がらない。小一時間ほど食事中に放置していても、表示には変化はなかった。暖房も使ってシートヒーターも使ってどうにか冷えないか試したが、どうやら暖房にはバッテリーの熱は使わないらしい。これだけ熱くなるなら温水ヒーターのエネルギー節約も兼ねてバッテリーの熱も使ってそれで冷却できればいいのにと感じてしまう。
基本的に充電してから次充電するまで、バッテリー温度は変わらないというふうに思っていた方がいい、というのが乗った感想だ。そこまで考慮して長旅の際はスケジュールを組む必要がある。

充電器の場所、出力

これも大事になってくる。充電器の場所。サービスエリアでも意外とまだ充電器がないいところなんてザラにある。高速バスが休憩でとまるような大きなサービスエリアでもなかったり、あっても1台のみ、なんていうこともザラにある。逆に劣化しすぎてタッチパネルがまともに機能していないところもある。道の駅でも、急速充電を名乗っていたとしても30kwだったり、逆に90kwなんてスペックのものも存在する。自分の車が何kwまで対応してくれるのか、しっかり把握しておく必要がある。90kwに繋いでも、リーフだと最大で50kwも充電されていない。

道の駅だと大抵の場所にあるし、日産ディーラーであれば24時間開けてくれている場所もある。ただ、日産ディーラーでも営業時間しか空いていなかったり、他社のディーラーだと空いていないところの方が多い。また、イオンには充電器が設置されているが、こちらは営業時間内でも空いていなかった。

gogoevというアプリ、友人におすすめされて入れてみたけどかなりおすすめ。営業時間や出力、場所もわかりやすい。住所の部分をタップするとGoogle mapに自動で飛ぶので、CarPlayにしてる時もスムーズに設定できる。これがないとEV運用は現実的じゃない、というくらい。

実際、尼崎から鳥取に行った時(おまけレビューその2)は、県庁ではなく本来は駅南にあるイオンで充電するつもりだった。駐車場自体は24時間開放されているので、充電器も開放されているだろうし、出力もそれなりにあるだろう、ついでに夕ご飯も食べれたらな、くらいの気持ちでチェックなしで行ったらそもそも時間外で空いてなかった。タイムロスなくスムーズに旅をしたいなら事前に充電器のチェックくらいはしておかないと旅先で詰む。

まとめ

電気自動車の運用、長旅というのは、足枷がたくさんある。実際、バッテリーの温度や充電器の場所にはなかなか苦しまされた。航続距離というものはそんなに大事なものではなく、実際大事なのはバッテリー残量。それも、100から0まで使えばいいのではなく、そんなことをしてしまうとバッテリーに悪い。使っても40%まで、それ以降はもし充電器がなかった場合の余裕ぶんとして持っているだけ。
このような戦略を立てる必要があるというのは、おそらくどのEVにも言えることだろう。バッテリー温度はリーフほどシビアでないにしろ、やはり水冷のサクラなどでもあるようだ。

ただ、それを超えた先にあるのは楽しく優雅なカーライフだ。
エアコンも冷暖房ともによく効くし、リーフならシートヒーター、ステアリングヒーターも熱いくらいによく効く。これが意外と重要で、快適な空間でないと心に余裕を持って運転するのもなかなか難しい。エアコンのエネルギーロスも思ったほど深刻ではなく、これだけエアコンが効くなら飲み込めるなというレベル。
そして、何よりEVのトルクフルな走りは、ガソリン車にはなかなかできない魅力だ。そもそも音を発生するものが車には搭載されていないので、静粛性とトルクフルな走りを同時に享受できる。リーフの価格帯で、静かなガソリン車というのは、自分は体感したことがない。

2回の旅で思ったことは、EVというのは世間のイメージ以上に実用性があるということだ。ガソリン車やハイブリッドカーと同じように使えるわけではないが、EVにはEVなりの楽しいカーライフがある。
こうなると、水素自動車などの別の未来のパワートレインにも、俄然興味が出てくるものである。

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