孫子③ 戦いの2つの原則とは?

前回の記事では、自分と相手を正しく比べることについて説明した。
今回はさらに戦いの原則を2つの側面から見ることにする。

戦いの原則① 不敗

勝負には勝ちと負けがある。当然のことだ。
孫武はその間があると考えた。

「不敗」つまり、負けていない。ということだ。

まずは自分の努力でできる不敗を守り、敵や環境がチャンスを見せたら勝ちを目指そうということだ。

なぜこの不敗が戦いの原則になるかは、戦いの大前提を考えればわかる。
この場合の大前提は、やり直しが利かないということだ。つまり負け=死の前提は孫子では全くブレていないのである。
この前提をなくして、孫武は戦わない。

戦いの原則② 短期決戦

孫武は短期決戦の勝負を挑む。

それはなぜか。

戦いは一方的に始められるが、一方的に終わらすことはできない。戦いにはこのような性質を持つ。これも当然のことだ。
例えば、相手をつい殴ってしまい。殴り合いが始まったとする。その殴り合いに飽きたからといってすぐ終わらせられるだろうか。答えはNOだ。相手の気が済まなければ殴り合いは続く。

ここでも戦いの大前提を考えよう。この場合の大前提は「ライバルは多数いる」ということだ。目の前の長期戦の末、戦いに勝ってもそこで新たな敵が現れたら終わりである。

孫武は常に戦いの前提を考え、戦いにおける原則を作り上げている。

ここでの結論はこうだ。

戦うなら短期決戦を目指すが、最悪、不敗を守る。


すごく興味深い。ただここで疑問に思う。

「負けていない」状態を続ければ長期決戦になるということ。このことについて孫武はどのように考えていたのだろうか。

2つの原則を結びつけるカギとは?

この矛盾を解くカギは

「兵は詭道なり」

これはどのような意味を持つのだろうか。
次回をお楽しみに。

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