組織マネジメントをうまくやれている気がしていることのおさらい

社内だと相対的に組織マネジメントできてる風を装っている。10年前はとある場で破滅的マネジメントをしていたのにも関わらず。その理由を振り返る。

管轄部門の人のほとんどの採用に関わった

書いてみると元も子もない。自分の採用基準で採用しているのでそれはうまくいく確率は高い。もちろん採用ですべてを見極めることはできないのは同意。その上でその人の過去の経歴や苦手なこと、得意なことを大まかにでも分かるので地雷を踏む可能性が下がる。

転じて、人の特性を見ずに数だけで見てたりするとこの辺はうまくやれないのだと思う。入社してから見なくていいということも当然無く、野良で大量のslackに入りながらXのように眺めていると日々の状況も自然につかめて良いし、いちいち報告してください的な場がなくても大体分かる。

力関係の分かれる部署を直接見ていた

そんなことないよと言いながら、開発チーム内には意見を言う人と言われる人という関係性はできる。PdMは意見を言う人側に立つことが多く、タイプとしてもそういうことが得意である。一方、意見を言われる側の人、デザイナーやQAエンジニアなどはその逆であったりする。

ともすると言われる側の人は最初から諦めていることもある。どうせ言ってもダメでしょ、そういうもんでしょ、我慢すればいい話なんでと。ただし我はその部門の上司であった。なので極端な話、どちらの肩を持つかと言ったらPdMじゃない。

実際は肩も何もないのだけど、意見を言えない側に立ってブーストしてやっと8割互角くらいなのでこれはこれで良い。部署によっては今は他の部門に移ってしまったものもあるけれど、他部門の長ではなく元上司として話してもらえるので、問題が大きくなる前に拾いやすいのも良い。

多くの問題は人と人との間に発生するもので、PdMは放っておいてもディスカバリーされるので心配してない。その周辺で起こりつつある課題を想定しつつ、起こったらどうするかを考えて置けば心配ない。早めに課題は潰さないのかを言う話もあるが、それをやってしまうとPdMや、本来その意見を代弁すべき部門の長の場数が減ってしまうのでやらない。大体の場合、自分が出るよりその人たちが出てちゃんと解決した方が質も高い。

それから、自分の専門性が活かせない部分のマネージャーをやると強制的に人に頼る必要が出てくる。巻き取って解決できることがほぼないので、マネジメントをサボれない。その点も結果的に良い経験になっている。

座学をしつつ現実との対比をしていた

組織マネジメントのノウハウは大量に世にあり、Xを見ていても専門的なフレームの話が多く出ていたりする。ハーバードビジネスレビューにも何かと組織の話が載っている。

当たり前ながら背景も事業フェーズも全然違ったところの成功譚をそのまま持ち込むのは悪手で、ただ何でも斜に構えるわけでもない。そこを理想系
だとして同じ状態を適用するには何手足りていないのか、3手前だったらそこまではやらず序盤の状況まで持って行くか、みたいなことを考える。

ありがちなのが偉い人にネットの記事のURLを持ってこられて「なんでこれができてないのか!今すぐ検討して」的な話をされることで、でも実際は「それまだうちの組織には早いんですよ」ということになる。そう言われないためにも「今のフェーズはここで、この先はここに行こうと思ってる」という話を定期艇に言語化して伝えなくてはならないし、それはマネージャーとしての仕事だと思っている。

面接でも「今時このやり方なんです・・・?」というリアクションをされることはあり、ToBeは分かっていて、敢えて今ここなんですよという話をする。この人は分かってて敢えてやってないのか、分からなくて単に選んでいないのかには大きな隔たりがある。

結局は場数が多い

破滅的マネジメントから早10年、結局は場数が多い。マネージャー経験者にはマネージャー職が振ってきやすい。課題が起きたときにまああると考えて冷静に動けるか、自身がパニックになってしまい立ち尽くしてしまうかの差はある。

場数から出てくる経験則は、どこかの本の受け売りを話すよりも実際人に届く。適当に大丈夫ですよと言うのとは訳が違う。

場数と言えば、失敗数も大事。失敗数は急に増やせないので、実際は経験者に相談できる状態にしておくのが良いとは思う。そんなの大したことないよと言われることで救われることは多いし、マネージャーは人に頼ってはいけないことなんてないのでどんどん頼りながら失敗すれば良い。弱みのあるマネージャーであることは若手にとっても希望だと思う。そんなやつでもなんとかなると。

組織マネジメントと特定領域の仕事ができるスキルは全然別。ここを混在してマネージャーに求めはじめると大体おかしくなるし、抜擢のロジックも狂ってしまう。PdM界隈でも技術力とマネジメント力は1人ではなく複数で見た方が良いよねと言う話題が増えてきていて、自分もそれには同意する。

好き嫌いは別としてマネージャーの機会があれば手をあげておいて経験値を稼いでいくというのも大事だと思う。マネージャーの経験値はプレイヤーでは稼げないし、年をとったら急にできるものでもない。やってたらできる、みたいなイメージが今。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?