電子部品の機能安全対応
背景
電子部品メーカのA社は、顧客の自動車部品メーカのX社に10年以上高品質な電子部品を提供してきました。X社はその部品を自動車のECUの部品として使用してきました。さて、電子部品メーカのA社の部長さんから、次ような相談を受けました。
相談
「うちの会社は中小企業だし、機能安全規格書に書かれているライフサイクルに基づいて部品の開発は到底できないよ。また、機能安全規格書の要件を満たす製品になっていないよ。機能安全対応するとしても、開発資金の前にまず機能安全を知っている人がいないんだよ。そのため、機能安全に対応するには何から始めればよいのわからない。X社から機能安全対応を要求されたら、この部品の製造販売をやめようと思うが、どうすればよいか知恵を貸してほしい」
回答
貴社が開発している部品は本当に機能安全対応が必要でしょうか。顧客のX社からも要求されていますか。機能安全は法規ではないため、準拠しないからと言って罰則はありません。もし、顧客から機能安全規格対応を要求されはじめて、対応が必要になってくると考えます。(注1)
注1:
従来製品の電子部品は必ずしも機能安全規格に準拠しなければならないものではありません。顧客企業がその部品を評価して採用しているため、機能安全対応は必須ではありません。
もし、機能安全対応を要求された場合は、貴社で、機能安全規格書に書かれているライフサイクルに基づいたプロセスで部品の開発を行うことは容易ではないかもしれません。また、機能安全の要件を満たすエビデンスを用意することも難しいかもしれません。開発資金も人材も限られているため、機能安全に対応した部品として新たに開発に取り組むことは困難かもしれません。
しかし、その部品の製造販売をやめる前に、いくつかの事業継続のためのアイデアを提供したいと思います。(回答の詳細は以下になります)
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