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はじめての機能安全(その1)


1.はじめに

 機能安全を理解するためには、安全、危険、リスクの意味を正しく理解する必要があります。機能安全は、欧州で定義された「安全」の考え方に基づいています。そのため、日本人が一般的に考えている安全の定義で機能安全を考えると間違った解釈になります。機能安全は国際標準規格となっており、日本のメーカもこれに遵守して製品を開発する必要があります。機能安全規格に従うことが法律で義務付けられているわけではありませんが、規格に準拠せずに製品を開発し、もしその製品で重大な事故を起こした場合、責任を問われることになります。過去に故障や事故が発生しなかったからといって、安全とは言えません。人命にかかわる製品については、機能安全規格に準拠して製品を開発することが必須となっています。
このマガジンでは、まず、危険とリスクの違いと安全について説明し、機能安全の基本概念、機能安全の国際標準規格、産業界における機能安全、機能安全の代表的な規格であるIEC 61508と機能安全設計の順に説明していきます。最後に、今後の機能安全について考察します。

コラム:ChatGPTとの対話1

 マガジンの各記事の内容について、ChatGPTと対話した結果を掲載します。まずは、1つ目の対話です。

ChatGPT-3.5利用

初版の対話

ChatGPT-4.0利用

Q:機能安全規格に準拠しない製品が死亡事故を起こしたらどうなりますか?
A:機能安全規格に準拠しない製品が死亡事故を引き起こした場合、その結果は非常に深刻なものになります。以下は、起こり得る一連の結果ですが、具体的な影響は事故の状況、製品の種類、関連する法律や規制、そして事故が発生した国や地域によって異なります。

法的責任と訴訟: 事故により死亡が発生した場合、製品の製造者や販売者は民事訴訟に直面する可能性があります。被害者の家族は、過失、製品責任、またはその他の法的理由に基づいて訴訟を起こすことができます。企業は巨額の賠償金を支払うことになるかもしれません。

刑事責任: 事故が重大な過失や安全規制の故意の無視によって引き起こされたと判断される場合、刑事訴追の対象となる可能性があります。これには、企業の幹部や安全基準を無視した個人が含まれることがあります。

規制当局による調査: 死亡事故を引き起こした製品は、規制当局による徹底的な調査の対象となります。これには、製品のリコール、販売停止、または製品の安全性を確保するための改善命令が含まれることがあります。

信頼性とブランドイメージの損失: 事故は企業の信頼性とブランドイメージに深刻な打撃を与える可能性があります。消費者の信頼を失うことは、長期的に見て売上げの減少や市場シェアの喪失につながる可能性があります。

保険の影響: 事故が発生すると、企業の保険料が大幅に上昇する可能性があります。また、特定のリスクに対する保険の提供を拒否される可能性もあります。

規制と法律の変更: 特に死亡事故が公衆の注目を集めた場合、規制当局はより厳しい安全基準や法律の導入を検討するかもしれません。これは、業界全体に影響を与える可能性があります。

機能安全規格への準拠は、製品が安全に設計され、製造され、使用されることを保証するための重要な手段です。規格に準拠しないことは、企業にとって重大なリスクをもたらし、最悪の場合は人命に関わる事故を引き起こす可能性があります。そのため、企業は機能安全規格を遵守し、製品の安全性を確保するための適切な措置を講じることが重要です。

変更履歴

Rev.1 2023.4.10  初版
Rev.2 2024.4.9    コラムを更新


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