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【CAP高等学院代表・佐藤裕幸の教育への情熱と挫折⑤】

こんにちは。通信制サポート校・CAP高等学院の佐藤です。

 現在、9月入学の生徒募集のために様々な取り組みを始めています。CAP高等学院は、通信制・鹿島学園山北高校のサポート校として2020年の4月に開設しました。ミッションは「高校生と社会の間にある(と勝手に思われている)様々な垣根を壊し、新しい学びのインフラを構築、高校生と社会をつなぐサポート校になる」です。そのためには、CAP生が高校卒業に必要な単位を最速・最適に取得して、そうすることで生じた有効な時間を自分がしたいことに没頭できるようになれることを目指します。

 そこで、代表・佐藤がどのような想いで、通信制高校サポート校を立ち上げたのか、何回かに分けて書いていきたいと思います。今回が5回目です。(なお、ここに記載される内容は、CAP高等学院のFacebook にも投稿されています)

 “Find アクティブラーナー”にあった基調講演の映像で、落合陽一氏が語った「インターネットはものすごい下駄を人間に履かせているので、ステート・オブ・ジアートの最先端なものをずっとやり続けないと、もはや使いものになる人材なんて出来ないのですよ。」と言うコメントは、私にとって衝撃以外の何物でもなかった。果たして今の教育は最先端のものを与えようという努力がなされているのか?、そもそも最先端のものを知ろうとしているのか?少なくとも私自身は、この時点で最先端のものを知ろうとはしていなかった。つまり、私自身が、「中学生がアクセス可能なインターネットの上から集めてくることができるソースコードと、この人たちが頑張った5年間は同じぐらい」ということを全く意識できていない。子供達の成長を奪っているのが私自身であると痛感した。そして、私は真剣にICTを活用する授業展開をしていく必要性を感じ、さらに今どのくらいのテクノロジーが社会で必要とされているのかを、しっかりと知る機会を持たなければいけないと思うようになった。


 とは言うものの、本格的にICTを利活用するとはどう言うものか全くわかっていなかった。特に授業だけではなく、自宅でICTを活用した学習をどう進めてもらうのが良いのか、あまり想像できずに悶々としている中、同僚の研究授業が行われた。


 その研究授業は、通常の研究授業とは異なり、予備校の講師に授業を見てもらった後、反省会の中で講師から講評をして貰い、さらにモデル授業的なものを示してもらうというものであった。授業についての講評はここでは触れないが、私が強く印象に残ったのは、“反転授業”というキーワードであった。

 「学校の先生方は、かなり忙しいので、もしかしたら実施するのは正直難しいかもしれませんが、“反転授業”という方法があります。予習用の解説動画を作成し、生徒たちにそれを参考にしてもらいながら、予習をしてもらい、授業では予習でどうしてもわからなかったことを確認後、問題演習に触れられたり、グループ学習の時間をより多く取ることができるので、教科書内容を進めるにはとても効果的だと思います。」


 生徒たちに予習で動画を見てもらうということは、少なくとも自宅でICT機器に触れてもらうことになる。さらに学習支援ツールなどを利用して、予習課題を提出して貰えば、触れる機会は増える。しかも、予習率が上がれば、授業のペースも早くなり、演習量や学び合いの時間も増える。そして、何よりも「忙しいから難しい」とハードルを上げられたことに俄然やる気が出て来た。私は“反転授業”を取り入れることを決心した。


 ただ、これまで動画作成などしたことは一切なかったので、できるだけシンプルに、手間のかからない方法にすることとした。iPadをカメラがわりにするために三脚を購入し、黒板の前にiPadを置いて、黒板に解説をしていくスタイルで始めることにした。正直編集に時間をかけることはあまりしたくなかったので、途中で間違えた場合は、もう一度取り直しをしていた。


 撮影時間は早朝。夕方などは空き教室を見つけるのが大変だったため、解錠される時間に合わせて出勤し、1時間程度撮影に充てた。
 そして、G Suiteを利用し、動画はGoogle Drive にアップし、Google Classroom にリンクを貼り、進めて欲しい予習の範囲を指示し、予習した内容は、ノートなどを写真に撮ってもらい、期限までに提出してもらう。提出された解答は授業までに全て目を通し、理解が不十分なところを授業で解説。解説終了後は、類題演習を学び合いで進めるという形で、授業を進めることにした。その結果、予習率が100%になり、生徒の理解も上がり、定期考査で少しずつ結果に表れるようになった。徐々に予習と演習、復習がうまく回るようになり、生徒たちも手応えを感じるようになってきた。


 しかし、ここでまた水を刺すような指摘をされることとなる。

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