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個人指導をしながら感じたこと

  通信制高校のサポート校・CAP高等学院を運営している佐藤裕幸です.高校生と社会の間にある(と勝手に思われている)様々な垣根を壊し,新しい学びのインフラを構築することをミッションにサポート校を始めて1年になります.また,最近では「読者が選ぶビジネス書グランプリ2021」(https://business-book.jp/result)で総合グランプリを受賞した,『シン・ニホン』(安宅和人著)の認定公式アンバサダーをしていたり,教育系の出版社である増進堂・受験研究社の客員研究員をしています.4月からは私立高校の非常勤講師で現場にも復帰しました.
 現在,第5期『シン・ニホン』アンバサダー養成講座の参加者募集が始まっています.運営メンバーが非常に個性的で素敵な人たちですので,『シン・ニホン』についての極上の議論を進めながら,運営メンバーと参加者の皆さんが生み出す新たなコミュニティのあり方も味わっていただけたらと思っています.
 応募はこちらから↓

 昨年の3月に所属していた学校を退職して,サポート校を運営し始めたのと同時に,教育に関する様々な仕事を請けることになりました.その1つとして友人・知人などからの紹介による個人指導です.
 今は本当に便利な時代になり,インターネットの普及で物理的な距離は簡単に乗り越えられます.個人指導をしている生徒さんには,東京・福岡・そしてアイルランドと全くバラバラの地域です.これらの地域の生徒さんたちを毎週直接会って授業するというのは物理的にはほぼ不可能.それを最も簡単に成し遂げられるようになったわけですから,利用しないてはないと単純に感じています.

久々の対面での個人指導

 そんな中,紹介で先日から久々に直接会って個人指導をする機会ができました.ニュージーランドの高校に留学中の高校生ですが,コロナの影響で一時帰国し,7月ごろ再度ニュージーランドに戻るまでの短期間,数学を見ることになりました.

 オンラインでは考えなかったことですが,対面の場合はもちろんマスクもしますし,僕の触ったものには極力触れて欲しくないので,質問に対する解答や解説は全てiPad に書き込み,PDF を LINE で送ります.もちろんオンラインの個人指導でも解説内容は PDF で共有しますが,直接接触を減らすという意識は重要だと考えています.今後もこの点については注意をしていきたいところです.

 月並みな表現になりますが,直接会って授業するのは,とても楽しいですね.タイムラグのない反応やちょっとした表情の変化による対応の変化など,オンラインではまだまだ解像度の小ささによって捉えきれていないものがあります.
 とは言え,オンラインでも僕という人間の価値を感じてもらって,授業の要望がある以上,解像度の小ささを超える価値の提供を考えていく必要があるとは思っています.

対面の個人指導で気づいた意外なこと

 10年以上前まで勤務していた個人指導の学習塾で授業をする際に一番大切にしていたのは,生徒さんが問題に取り組む姿勢です.それは,「肘をついて問題を解いている」「ペン回しをしている」のような“体勢”ではありません.テキストや問題集を見ている時間やページを捲る動き,筆記用具を動かしているときの進み具合,視線の移動回数や移動後の時間など,生徒さんが発してくれる様々な視覚的情報のことを,僕は“姿勢”と定義していました.

 今回の授業でも,その点を意識しながら授業に臨んでいましたが,二次方程式の問題に挑んでもらっている際に,分数の混じった因数分解で立ち止まってしましました.
 解説の際に,式の流れは説明し,解説を記述したものを iPad にも記載していたので,その解説を見ながら生徒さんは時進めましたが,「あぁ,そういうことか...」と言って,次に進めていくときに,強烈な違和感が生まれました.

「多分,自分が理解していないことに気づいていない」

 言葉以外に発せられている“姿勢”が,明らかに理解していないことを僕に伝えてきていました.
 分数の計算ができないということでは決してないのですが,式変形の途中における分数の扱いが頭の中でまだ処理できていないという感覚でした.

自分の解答内で起こっている“バグ”に気づいていない

という感じです.そして同時に次のような感覚が浮かんできました.

「もし自分の解答をプログラミングでコードを書いていくと仮定すれば,バグにアラートが出るのでは?」

プログラミングを学ぶことで広がる世界

 正直なところ,僕自身は全くプログラミングを学んでいないので,的外れなことを言っているかもしれませんが,自分の学びの過程に起こっている“バグ”に気づかないことは,ある意味とても危険です.ただただ詰め込んだだけの知識をつないで,理解できたような解答を書くのはもちろん,板書事項をきれいに書いたノートを生徒さんに提出させて「よく勉強している」みたいな評価をすることも同様です.
 そのような作業は必ずどこかに矛盾が生まれ,本質的な学びにはつながっていません.この作業をコード化すれば,必ずその矛盾にアラートが出るはずです.

 そう考えると,プログラミングを学ぶことには大きな意義があります.自分の書いたコードにバクが生まれれば,「なぜこのコードはダメなのか?」を考えることができますし,そこから得られる思考は,普段お考え方にも大きく役立ってくると思います.それは仮にPCなどのデバイスがない場合でも「プログラミング的思考を身につける」的なものでは決してなく,実際にコードを書いて生じるバグを経験することによって得られるものと感じているからです.

 しかしながら,実際にプログラミングを学んでいない僕が言っても説得力は正直ないことは痛感しています.

 生徒さんに「学ぶことの意義」を伝えるためには,やはり自分自身が学ぶことこそ大切なのかなと...

 もはややる理由しか出てこなくなっています.久々の対面の個人指導で気づいたのが,自分自身の学びの必要性とは...

プログラミング学び始めようかな...😅

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 もちろん,入校するかどうかは自由です.進路相談などでも全然大丈夫です.


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