米を喰え!<パックご飯をトレジャーハントする> (7)西友 『みなさまのお墨付き 新潟県産コシヒカリ』
1.西友『みなさまのお墨付き 新潟県産コシヒカリ』のスペック
西友系スーパーで展開されているPBで、テーブルマーク社(以下テブマ社)のOEM商材である。
「新潟県産コシヒカリ」を原料とした商品は、テブマ社自身のブランドなどでも出されている。入手できた関連アイテムで比較してみると、
1)テブマ社自社ブランド:2in1、150g×2カップ、199円、150g単価=99.5円 g単価=約0.66円
2)イオン「トップバリュー」:2in1、150g×2カップ、165円、150g単価=82.5円 g単価=約0.55円
3)当該商品:200g×5パック=498円、@99.6円、g単価=0.50円
使用されている原料は同じなのかどうかは不明だが、テブマ社自社のブランドの場合のg単価がパッケージがほぼ同仕様のイオンTVより1円程度高い値入となっているのは理解できる。またOEM商材では当該商品がg単価は最安だが、5パックバンドルまとめ買いなので安い設定なのかも知れない。
さらにサトウ食品の『新潟産こしひかり・かるく1膳』(g単価=0.87円)と150g換算の単価を比較してみると、
●サトウのごはん=130.5円
1)テブマ社=99.5円
2)イオンTV=82.5円
3)当該商品=75円
バンドルパックか否かなど仕様の違いもあるが、150g換算では少々価格差が生じている。メーカーと流通の力関係なども作用するので判断は難しいが、同じ原料とした場合は、当該商品が一番お買い得だ。
2.蒸気炊飯ながらも、しっとりとした炊き上がり。
規定のレンチン後に炊き具合を見る。まず香りは問題なし。
水分量が多いと言われるコシヒカリらしく、輝きと粘り気を感じさせる粒立ち、潤いがある。これまで食べた”新潟産コシ”について言えることだが、ガス釜炊飯か蒸気炊飯か製法の違いはあっても、キラキラして湿潤なごはん粒が多いようだ。
シャリ切りをしてみると、ごはん粒同士がややねっとりくっ付いている。保水膜の形成による粘りかと思われるが、それはごはんの旨さを決めるファクターであり、チェックすべきポイントだと思う。ほどよい粘着具合とでも言うか、そんな印象。
一粒一粒がとてもキレイだ。魚沼のような特定産地の原料米ではないが、「新潟コシ」となれば、相応のQualityがあるのだろう。
そういえば、昨日散歩がてら15店目の量販店を覗いてみたら、パックごはんの棚に大きな空きがあった。3フェイスあったガラ空きの箇所にはサトウのごはん『新潟産コシヒカリ』(200g×5、472円・@0.47円/g特売価格)が入っていたが完売。しかしその右隣の3フェイスには同社のブレンド米商品『銀シャリ』(200g×5、517円・0.51円/g)が一杯に詰まっていた。『新潟産コシヒカリ』、確かにお買い得である。
さて、前回アップしたその『銀シャリ』や廉価版商品と、本品のごはん粒をぜひ見比べていただきたい。どのメーカー産であっても、基本「新潟コシ」なら一定の満足感は得られそうだ。
3.歯触り優しく、安定して美味い「新潟コシ」
というわけで喰ってみたが、引っかかりなくすんなりとmogumoguできる。原料米のアヴェレージが高いため、あまり難癖のつけようがない。やや歯触り柔らかな炊き上がりというところか。
改めて3回目の試食をやってみたが、結構モチモチしている。
「新潟コシ」は、硬派炊飯原理主義者からすると結構柔いので、そこだけが個人の好みとして惜しいところ。硬派な家内も「新潟コシ」系について柔らかいと言うが、でも旨いと。ふだん喰なら魚沼産は高すぎて無理だが、各社の「新潟コシ」なら十分過ぎるかも知れない。
まあ、米飯は味が素直で妙な癖がないのだから、上位クラスになると比較も難しいね。かつての米飯の評価は、歯応え・硬さ・粘りなどの物理的評価しか成されなかったというが、しょうがないという気もしてくる。自分の舌が粗末なのもあるが。
逆に差が顕わに体感できるのは、ボトムクラスの商品なのだろうと思う。テーブルワインではないが、非ブランド米の普及価格商材から旨い奴を探すという愉しみがあるなと思えてきた。
それにしても、ごはんの旨味を支える保水膜と粘り気の形成について、原料米の差なのか、それともテブマ社の二段階加熱製法の影響も大なのか、探ってみたいもんだ。
これもたぶん、テボマ社関連のボトムクラス商材を”利き米”してみると見えてくるかも知れない。
(了)
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