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Stock of The Living Dead 第1話

2002.09.28 司会 猛牛 サイト『九州焼酎探検隊』で公開

“あなたの知らない焼酎の世界”


世の中には科学では解明できない、不思議な出来事があります。焼酎の世界も同じ。今日は、日常品から突如切り離された、戦慄と驚愕のディープな焼酎の異次元に、あなたをお招きします。

酒販店の棚や倉庫で埃をかぶりながらも、瓶内熟成で生きながらえていたデッドな焼酎。そんな“生きている死蔵焼酎”とショッキングな遭遇を果たした読者の皆様からの情報をお知らせするコーナー『STOCK OF THE LIVING DEAD』の時間がやってきました。

さて、最初のお便りは、東京都にお住まいの“うにさん”から届いた、ある変わり種デッドと遭遇した非日常的体験談です。

東京に住んでおります、「うに」と申します。

さて、今回探検隊のHPを拝見して、あまりにもタイムリーな記事に思わずニンマリしまして写真を送ろうと思った次第です。

焼酎のラベルはボロボロで、とても保存状態は悪いのですがそのラベルには“勝者のしるし「V」サインでどうぞ”と書かれています。

さて、写真を撮っていて新たな事実がわかりました。ラベルの裏に詰め口の年が明記してありまして「60.2」と読めます。西暦ではないでしょうから、昭和60年(注:1985年)のラベルと思われます。

しかしゆずってもらった酒屋さん曰く「売れなくって一度ラベルが汚くなったので、メーカーにラベルだけ貼りかえさせた」と言っていましたが、真相はどうでしょう?

私がこの焼酎を見かけたのはハッキリ覚えてないのですが今年の8月か9月初旬、牛さんのHPで紹介される少し前でした。

きっかけは「粕取り」に某所で触発されまして(爆)。古い酒屋さんを見かけたら立ち寄って探していたのです>非常に感化されやすいもので(^_^;)。

このピーナッツ焼酎を見つけたのは、東京都○○区の古びた一軒の酒屋のホコリだらけの棚の奥でした(苦笑)。そこには白波の「新酒」平成9年度産が8本ほど転がっていたり、コーヒー焼酎(?)があったりで、思わずオヤジさんと話し込んでしまったほどでした(爆)。

そこの酒屋は店主で16代目(さすがに10代前までくらいしか遡れないそうですが)の非常に古い酒屋さんでお店の一角には立ち飲みコーナーもあります。前にもなんどか立ち寄った事があったのですが、その時点では見逃していた棚があったのです。

今回「粕取り焼酎はありますか?」との私の問に、若い息子さんが怪訝な顔をして焼酎の置いてある一角を探し出し始めたのです。後ろで見ていた私の目に、非常に古ぼけた何本かの一升瓶が飛び込んできてその中の1本がピーナッツ焼酎でした。

琴線がビンビン鳴り始めた私の態度に呆れたのか(爆)。大将が出てこられましてお話を伺ったところ、何年も売れないで置いてある酒で、飲めないだろうから売り物にはしないとの事だったのですが、身分を明かして非常に珍しい焼酎なので是非譲って欲しいとお願いしたのでした。

私の熱い(暑い??)話しに耳を傾けていた大将が「そんなに焼酎がすきなら持ってきな!ただし、飲んで体おかしくなっても知らないよ」と言ってくれたのでした。

タダで貰うわけはいかないと説明したのですが「酒屋として品質の保証出来ない酒は売れない」との事で、違う棚に無造作に置いてあった平成9年の白波4本を購入、寄贈との形でピーナッツ焼酎が我が家にやってきた訳です。

というわけで、うにさんが遭遇した状況も大変ドラマチックですが、さっそく問題の酎霊写真をご覧いただきましょうか・・・。

(客席:キャーーッ!(>_<))

いやぁ、これは凄い!!! まさに驚きの珍品です! 私自身も筑前でこの品と遭遇したことがありません。いやぁ~、予想外のデッドがまた東京で甦生したものです!

ここで酎霊写真研究家、スピリチュアリストの牛田非道先生に写真の鑑定をお願いいたします。・・・先生、いかがですか、この写真?

牛田:これは福岡県甘木市にある丸山酒造さんの『ピーナツ焼酎V』のデッドですが、丸山専務がおっしゃっていた通り、意匠も中身もまさにあの時代そのままの大珍品と申し上げていいと思います。まさにデッドの奈落から蘇った精霊、貴重なスピリッツです。

凄いのは瓶の中程にシールで張られている““勝者のしるし「V」サインでどうぞ”という惹句。まるで往年の「リゲイン」CMを彷彿とさせるコピーで、この部分にピーナツ精霊の強い霊波を感じます。

薄く靄のかかったラベルの向こうに、ピーナツの殻が笑みを浮かべて空に浮かんでいるのが見えます。それはこのピーナツ焼酎が、彼岸から此岸に立ち戻ることができた喜びを表しているのです。

この商品について、供養の必要はありません。大切に保存してください。

・・・先生ありがとうございました。というわけで、来週の『STOCK OF THE LIVING DEAD』をお楽しみにm(_ _)m


(了)


■2022年追記:酒販店さんの店頭に眠っているデッドストック焼酎を熱心に漁っていた頃に作ったページで、当時有名だったテレビ心霊番組・コーナーが元ネタ。御本尊の織田無道氏は、とんねるずの番組などで有名になった人でしたが、2002年以降色々とトラブルを起こし、2020年にお亡くなりになっていました。合掌。

当該商品を造った丸山酒造合資会社さんについてはこちらをご参照下さい。ピーナツだから「?」と思われるやも知れませんが、美味しい商品だったんです。

それにしても、よくぞ残っていたな!と感嘆するほどのデッド度合い、焼酎なので中身は大丈夫とは思いますけど、味はどうだったのか。当時の地元福岡でさえ目にすることが無いほど珍しかった一本。

こういう焼酎も存在していたのだ、という記憶として再録します。

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