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【to C起業家必読】マネタイズの天才、元スマニュー川崎さんのメンタリングが凄かった!

マネタイズの鬼、元スマニュー川崎さんと非常に感情リッチなメンタリングのお時間をいただいた。
当初、マネタイズの壁打ちをさせて頂く予定だったが、川崎さんの経営、マーケティング論に感ずるものが多く、起業家が本質的に集中すべき「コト」を色々学ばせていただいたので、興奮冷めやらぬタイミングで、筆を走らせ、皆さんにお裾分けさせていただきたい。
※ご本人の発言に対し、身勝手な個人的解釈が多分に含まれているので、予めご容赦ください。

マネおじ川崎さんとは

川崎さんは、スタートアップ界隈であれば、知らない人はいないマネタイズのプロ。現在はエンジェル投資家として活動しながら、 起業した会社をミクシィに売却。取締役COOとして時価総額160億円から5,000億円へ企業再生。 はてな取締役副社長としてゼロから広告事業を立ち上げてIPO。 スマニュー執行役員としてゼロから4ヶ月で広告事業を立ち上げという尋常じゃない成果を残されている起業家、投資家の二刀流を体現されている偉大な方。

1.一番重要なのは継続性の高いお金を払うユーザー

毎日、毎月お金を払い続けてくれる人がいるのか。同じ1,200円の収益だが、事業上有望なのは、圧倒的に12ヶ月継続である。サブスク、継続、会社の売上が圧倒的に安定する。
①1ヶ月客単価100円を12ヶ月継続する
②1ヶ月客単価1,200円を今月のみ、ワンショットで利用

2.ペインを持つユーザーへの具体的検証

ユーザー本人人がよく分からないというペインをどのように把握、値付けしていくのか、有用性の高い自分、ユーザーへの質問を挙げる。

  • Q.自分達は、どのペインを解消しようとしているのか?

  • Q.そしてそのペインの価格は、ユーザーはいくらだと思っているのか?

  • それが刺さるまで価格改定をし続けるべし。仮説があるなら、プロダクトを当てて、どういうところがストレスなのか検証する。

  • Q.ご自身が値段を付けるなら何円分くらいのストレスを感じているのか?

  • ※やりがちだが、「このサービスにいくら払いますか?」は聞かない!

  • Q.もし分からなければ、この問題について嫌だとしたら、何時間考えるのか?その人の時給が、仮に2,000円だったら、1時間悩んでいるなら、2,000円分の価値があるという捉え方も出来る。提供価値という言葉は分かりづらいので、「嫌なことなんですか?」の方が分かりやすい。


例)仮にnative. card(自社が提供する1秒自己探索ツール)をナイトワーカーに提供する場合のヒアリングイメージ

  • Q.出勤時、1日何回くらいお会いするのか?
    Q.1回20-30分くらいお話しするのか?

  • Q.1時間で3-4人話し、4時間で16人くらい話すと思うが、ひとつも共通項がないというのはないのか?その場合、トークを引き出しているのか?無い場合、どのくらいウザい(嫌だ)と思うのか?

  • Q.時給3,000-4,000円くらいもらっているとして、お客さん4人回っている場合、2人との対話がウザい(嫌だ)と思う場合、1,500-2,000円分くらいの時間は感じている。自社サービスは500円で解決できるが、1,000-1,500円分は得ですが、やってみませんか?

3.本当に欲しいユーザーはお金を払ってくれるユーザー

スタートアップ起業家、新規事業家が、皆苦しむのは、ユーザーは増えているが、本当に欲しいユーザーではなかったこと。本当に欲しいユーザーは、お金を払ってくれるユーザーである。お金を払ってくれないユーザーはユーザーではない位に会社経営として重要なことから目を背けない事。
ユーザーが増えて嬉しい。確かに認められた気はする。ただ、会社経営として、お金を払ってくれるユーザーを見つけられなければ、成立しない。

お金を払わないユーザーは、ビジネスモデル次第で必要ではあるが、コストにもなり得るという不都合な真実から目を背けない。(ゲーム業界等が分かりやすい事例)

どの程度のフリーユーザーをどの程度の課金ユーザーが支えているのかを把握する。
30%の課金ユーザー比率なら、1人の課金ユーザーが3人の無料ユーザーを支える、20%なら、5人の無料ユーザーを1人の課金ユーザーが支える等、見えてくると課金ユーザーは相当有難い特別な存在が分かってくる。

4.ユーザー獲得は優良ユーザーにフォーカスすべし!

毎日使ってくれている、1日5回くらい使ってくれているヘビーな優良ユーザーをグロースさせないといけない。皆の誤解は、1,000人集めて、課金転換率3%で考え、30人が課金すると考えがち。ただ、課金ユーザーと集客ユーザー数は全然関係ない。(※ビジネスモデル、事業構造による)
スマニューの場合は、ニュースで圧倒的に需要あり毎日更新される状態。ヘビーユーザーはそこまで不要とも言える。何千万人もユーザーがいれば広告モデルとして成立する。裏返すとニュースに対して課金するユーザーはそこまで多くないとも言える。

5.フォーカスユーザーを選択的に絞り込むべし!

・どハマりしているユーザーがいないとサービスは成立しない。
・まずは徹底的にユーザーを検証。検証結果が良好であれば、広告投下していくのは有。あくまでフォーカスは、お金を払ってくれる可能性があるユーザー。その人達の解像度を上げ、検証する。

※マーケティングTips
ちなみに、創業期のメルカリは、選択的にユーザー獲得している。それは出品者。メルカリの実際の競合は、ヤフオクではなくブックオフ!
本を売るならブックオフ!というCMがあるが。なぜ、本を買うならブックオフではないのか?
買い手はいくらでもいる。マーケティング手法として、選択的ユーザー獲得で、売り手が少ないので、フォーカス。売り手の獲得が肝。出品者がいない成立しないから、メルカリは選択的に出品者獲得に絞っている。
ひとりの女性の裏側に20名くらいの新たなユーザーが存在することをイメージする。小さいバイラルを予期し、誰が熱量高く使うかの検証にお金を払う。薄いユーザーに払っても仕方ない。

6.マーケティングは9セグメントから始めるべし!

マーケティングは、西口さんの9セグメントを参照しながら、全項目を書き出し、その通り愚直に実行するべし。

スタートアップは、AIDMA、上の認知からマーケティングファネルを見ていくのは間違い。お客さんが離反しているプロダクトであることを認識する。スタートアップのマーケティングファネルは、購買ユーザーから遡り、下から上を見ていく事。そもそもが、多くのサービスのユーザーは大量に離反している。一回使って戻ってこないのは常。購買されなかったら、いくらお金を突っ込んでも、ザルに入れている状態である。
逆で今日使ってくださっている人が、いかに明日も使ってくださるかにフォーカスする。それが最重要のKPIである!できていないなら、マーケをやっても無駄である!
仮に、10万ユーザーがいたとしても、DAUは何人なのか?DAU転換率が低ければ刺さっていないことを自覚するべし。

7.コンプレックス強くチームを創ろうとする起業家が好き

投資先選定は、基本的に人の好き嫌いで決める。自分が面白いと思う人かどうかが前提。事業の解像度が高い人が必ずしも良い訳ではない。そのような人は自信家が多く、創業者のスキルが異常に高過ぎて、そのプランをメンバー誰にも渡していないから事業、プロダクト解像度が高いともいえる。
ドメインは良いが、事業、サービス解像度は粗い。ただ、共同創業、チームを強くする事に意識、行動している方が良い。
そして、自分自身のコンプレックスを言っている方が良い。例えば、SNSを創りたい起業家が2人いるとする。

1.友達少ないからSNSをつくります
2.友達多いけど、自分の友達の作り方ノウハウ盛り込んだSNSつくります

1.の方は、サービスコケたら、俺一生友達いない人に対し、2.はサービスコケても、友達はいる。1.の方が粘り強い。そういう人に投資したい。細部までやって最後まで残っているやつが勝つ。

8.ロマンとそろばんを頭の中で行き来させるべし

会社を経営していく上で、めちゃくちゃエモいことを言いながらも、現実しっかりお金を稼ぐことをやっていないと生き残れない。
エモく生きるとNPOっぽくなる。お金儲けばかりに走るとマーケットが小さくなる。エモくやり過ぎたから、ここからは少しお金儲けのことを考えようとバランスを考えていけるかが会社経営上、大事。
ちなみに、川崎さんは、元々めちゃくちゃエモ型。ロジカルは大したことではなく誰でも後発的に育成可能。他方、エモさは後発的に育てるのが難しい。ロジックがないとバカと思われ、ロジックだけだと人は付いてこない。ロジックは便利なもので後天的に身につければ良いくらいのもの。
起業家は本来ロジックは不要である。ロジックだけで新規事業は作れない。「世の中ムカついたー」とかで始まる。基本、起業家は非合理である。合理的な人は起業なんてしない。その時点で、「起業家は愛すべき存在である、だからエンジェル投資をしている」

最後に

今後は、経営のセンターピンである売上を上げ、成長投資、雇用創出していくことに逃げない、目を背けない。そのために、収益を上げるユーザーを徹底的に理解し、決意する時間でございました。
川崎さんは他の方があまり言及しない本質的に大事な収益を上げ続ける事について、ある種の使命感を持ちながら、起業家に向き合い続けていらっしゃいました。
川崎さん、大変貴重なお時間をいただき、有難うございました。今回のメンタリングを踏まえ、native. は更なる進化を遂げますので、乞うご期待くださいませ🙏🇮🇳 最後は、いただいた金言で締めくくれればと思います。

「ペインの理解とペインに対する値段の付け方が肝!!by #マネおじ


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