【2020シーズン】マリノスにとっての過密日程と特殊ルール

1.過密日程について

 今季はCOVID-19による影響のため、Jリーグが中断しました。そのため、再開後は超過密日程。マリノスはACLに出場していたので、それがもっとギュウギュウになってしまいました。それが及ぼす影響は主に以下のことでしょう。

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・試合の強度を保つことが難しい
・同じメンバーで戦い続けることができない

 連戦なので、疲労が癒えないまま次の試合に臨むことに。マリノスは日本一走るチームです。疲労が癒えないということは、攻守においての強度が下がるということに繋がります。その影響を受けやすいチームだったと言えるでしょう。

 また、怪我のリスクなどを考えると、同じメンバーで戦い続けることが難しくなります。いつも通りの感覚がなく、試合ごとに探りながらやることになるので、心身への負荷が増加。プレーの遅さにも繋がってしまいます。チームが持つ最大のパフォーマンスを披露できない中、どのように戦うかが求められました。

 マリノスのサッカーは相手を疲弊させることが柱の1つです。しかし、これは自分たちにベクトルが向いているお話。なので、いずれもマリノスにとって辛かったですが、後述する特殊ルールに比べると大きくは影響していなかったように思います。

2.特殊ルールが及ぼした影響

 今季は過密日程緩和策として、必ず飲水タイムを設けることと、5人までの選手交代という特殊ルールがありました。

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・飲水タイムによる試合の中断で仕切りなおされる
・5人交代が有利にも不利にも働く

 飲水タイムは前後半のおよそ半分くらいの時間に取られます。その時間は大体1分ほど。試合が中断されるので、落ち着いてベンチから選手へ指示することができます。この時間を利用してチームの方針転換を図るクラブもありました。また、頭と体を確実に休める貴重な時間にもなっていました。

 選手交代は、ハーフタイムを除く3回で5人まで。約半数の選手を入れ替えることができました。疲労した選手の交代はもちろん、ハーフタイムで3人ほど交代し、全く別のチームにすることも可能。選手層が厚いチームほど、この恩恵を受けることになりました。

 ご存知の通り、マリノスはスローインやコーナーキックを素早くリスタートしますよね。あれって試合が途切れる時間を少なくしたいからだと思います。そうするメリットは、相手を心身共に疲弊できることでしょう。自由に動き回るマリノス相手には体だけでなく頭も使います。プレーが途切れた時間は休憩時間とイコール。その唯一の休みをなくしてしまおう、という狙いです。マリノス側は決まり事の範疇で動いているため、頭への負担は軽い。これを続けることで、時間が経つと共に自分たちが優位に立てるという寸法です。

 しかし、飲水タイムによって試合が確実に途切れる時間が2回ある。選手交代もいつもより2人多いので、フレッシュな選手が動き回れる。これらにより、思ったより相手を疲れさせることができない。こちらがたくさん動くのは走り損になりがちですよね。走力で相手を上回ることができるアドバンテージも、通常より小さいものになってしまう。たしかに5人交代の恩恵は分厚いスカッドのおかげで受けました。しかし、それ以上にデメリットの方が大きく、マリノスのコンセプトが覆されてしまいました

 来季は飲水タイム必須か、5人交代のどちらかがなくならないと厳しいです。可能ならどちらもない通常ルールがいいですかね。過密日程かどうかは、正直どちらでもいいかなと思ってます。

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