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【2020 J1 第3節】横浜F・マリノスvs湘南ベルマーレ ゆるれびゅ~

1.はじめに

 惜しくも引き分けに終わった前節。正直なところ勝ちたかった...しかしあとを引きずってもいられない。そう、過密日程なのです!ということで、瞬く間に湘南との神奈川ダービーですよ。

 前日の七夕で「勝ちたいです」と祈って迎えたこの試合。願いは天の川を越えて届くのか。彦星と織姫は再開を果たし、勝点3を掴み取れるのか。さぁ、1日遅れの七夕マッチ開始です!

2.スタメン

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■横浜F・マリノス

・4-2-1-3の布陣
・前の試合から5人も先発を変更
・怪我明けの松原が復帰。おかえり!

■湘南ベルマーレ

・3-5-2の布陣
・前の試合から5人も先発を変更
・前節ベンチ外だった山田直輝が先発

3.マリノス対戦時は保険に入りましょう

みんな入ろう特攻保険

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・前にいる5人はどんどん出てきてボールを奪おうとする
後ろの5人は極力出ていかない
・それでも前の5人が逃せば、後ろからヘルプに駆けつける

 試合が始まってビックリ。湘南の選手たち前からガンガンくるじゃないですか!?

中川「どんどん行くぜ!これが湘南スタイルだ!!」
山田「俺たちも出ていくぞ。奪えー!」
坂「俺たちは留守番だな」
岡本「前で取れなくても人数いるから大丈夫♪」

 どんどん迫ってくるのは前の5人だけ。残りは後ろでイノコリ。これ、浦和もやってきた対マリノス用特攻保険なんですよね。

浮島監督「マリノスは後ろからパスを回すからな。そこ取って攻めたい...けどあまりにも出すぎると、かわされたとき強力な選手にやられてしまう...じゃあ保険をかけますか。前から奪えたらラッキーくらいでいこう」

 こんなことを思い描いてたのかも。「みんな博打を打たず保険かけやがって!」という気持ちがなくはないですが、これも立派なマリノス対策ですね...辛い!

■スッと差し出すさりげない気遣い

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【POINT】
 少ない特攻部隊の横に、さりげなく顔を出すマツケン

 相手は保険をかけてるため、特攻部隊の人数はちょっと少なめ。

齊藤「うりゃぁぁぁあああ!いくぞー!」
指宿「ボールよこせやぁぁぁぁああ!」
松原「うわぁ...あいつら怖っ...けど横がお留守ですよ♪」

 寄せる相手の脇にスッと顔を出したのは松原。湘南の選手たちが捕まえきれないほどさりげない!彼にパスを送ることで、特攻を華麗に回避。困ったときにスッと手をさしのべる松原。カッコいい...

 こんな具合に相手の突っ込みは割りとかわせてました。問題はそこから先。相手が保険をかけてるため、抜け出しても有利にならないのです...

 マリノスとしては何とかして解約してほしいところ。しかしいくら他をすすめても、湘南が解約することはありませんでした。ぐぬぬ...ガードが固い...

4.解約を迫るマリノス営業

保険をかける前に敵を叩いちゃえ!

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【POINT】
 梶川の素早い名刺交換から一気に商談をまとめる

 攻めに時間をかけるから相手がきっちり保険をかけられるのです。ならば、時間をかけずに攻めるとどうなるでしょう

梶川「相手が挨拶する前にこちらからするのが営業の基本。私、梶川というものです!」
松原「梶くんがすぐに名刺を出した!?俺も続かねば。海外事業部のケニーと申します!」
マルコス「みんな素早い...俺のところまであっという間だ...」

 ふと顔を上げたマルコス。そこには重役たちが3人だけ。人数が揃ってない今がチャンス!

マルコス「テル!ここが攻め時だ!」
仲川「わかった!相手が構える前に...早めにエジガルだ!」
エジガルドーモ、ジュニオと申します」

 あっという間に最前線にいるエジガルまでパスを繋いだ(株)マリノス自動車。商談をまとめるまであと一歩。エジガルの丁寧なお辞儀で決まったかー!と思ったとき、なんと頭が富井常務にぶつかってしまったではないですか。これには相手も怒り心頭。あえなく破談となってしまいました。

 ゴールキック、スローイン、フリーキック、コーナーキック。全て再開が早かったマリノス。このスピードは大きな武器ですね。

躍動する筋肉

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【POINT】
 長い距離を恐ろしいスピードで駆け抜ける筋肉

 後ろからマルコスにボールを預ける高野。しかし、彼の目に移るのは中央にいるエリキ。

高野「エリキが中にいる。外側誰もいねえじゃねえか。いっちょ駆け抜けるか!」
岡本「くっ...なんだこいつ...速いし硬い...」

 空いてる箇所を見つけるや、猛然と走り出す筋肉。そのスピードは守ろうとした岡本を振りきります。やはり筋肉は全てを解決してくれる...そのまま仲川めがけてクロスを送り込みました。

 強い筋肉が帰ってきましたね!さすが高野!そんなプレーでした。これはブンちゃんにはない彼の武器。今後も期待です。

5.ボスは哲学者であり、軍師なのかもしれない

 後半早々に失点してしまったマリノス。63分に3人の交代を行います。その後の陣形をあえて数字にするなら4-2-4。そう、超火力で相手を殴り倒そうというものです。しかし、ボスの考えはそんな単純なものだけだったのでしょうか。意外と考えてるかもしれません。そんな説を唱えていきます。

■『湘南のへそ』金子に多人数でちょっかい出しちゃおう

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【POINT】
 オナイウがちょっと下がることで、天野と一緒に金子近辺をウロウロできる

 この試合、中央が中々開きませんでした。そこでボスは、相手のへそである金子を、何とかどかせないかと思案します。

ボス「金子の脇にちょっかいかける人数増やせば困るのでは?」

 その期待に応えたオナイウと天野。彼らが前後から金子の横に顔を出すことで、気になってしょうがない様子。

金子「ハッ!?横からオナイウがきた。俺が塞がなきゃ!」
天野「アドについていったか。それなら俺が空いた中央を使わせてもらうか」

 金子が動いて空いた中央に突撃する天野。水沼のパスは惜しくも通りませんでしたが、湘南のおへそをこちょこちょできましたね!

邪魔なものは蓋をしちゃおうね~

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【POINT】
 オナイウと仲川で相手守備陣を動かせなくする

 前後で役割分担してた湘南。空いたマルコスに石原が出ていく。これがまぁ邪魔なんです。中央に自由な空間がほしいですよね。

ボス「相手は前に出てきて中央を埋めてたな...それなら出てこれないよう最前線に人を増やしたらどうなる?」
「おっ、目の前に仲川きたか。マークしなきゃ」
石原「こっちはオナイウか。迂闊に前に出れんぞ...」
エジガル「俺に誰もついてない。自由だーーー!!

 これが効果覿面。この場面では、オナイウと仲川が最前線にいるので、湘南守備陣は彼らを警戒。そこで自由を得たフリーダムエジガル。何人たりとも彼を制限することはできません。ススっと中央へ下がり、水沼からボールを受けます。

■私が下がっても代わりは(前に)いるもの

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【POINT】
 片方のフォワードが下がっても、必ず相方が前に残ってる
ボス「こちらのフォワードが下がると相手守備陣も上がってくるからなぁ...それをさせなくしつつ、後ろのヘルプもしたい」

 この狙いから、2トップを選択。オナイウが下がって金子を引っ張るも、最前線にはエジガルがいるため坂は動けず。

アド波レイ「私が下がっても、代わりはいるもの...」
天野「さて、ボールきたぞ。前を見ると...おっ、エジガル前に残ってるじゃん。おーい、エジー!ワンツーしようぜー!」

 オナイウが下がってもエジガルがいる。これ1トップで同じことやったら、天野がワンツーする相手いなかったんですよね。ピン芸人だとできないことも、コンビを組むことで解消する。見事なチームワークでした。

■まとめ

 ということで、まとめます。これがボスの狙いだったのではないでしょうか。

【ボスの狙い】
 空かなかった中央をこじ開ける

 最前線を増やして相手守備陣が前に出れないようにする。そうすると中央が空くので、天野が活用。三ツ沢に虹がかかった美しい先制点。あれはまさに天野川でしたね...それもこのカラクリがあってこそ。彼に余裕があったからできたのでしょう。

6.スタッツ

■sofascore

■SPAIA

■トラッキングデータ

7.おわりに

 いやぁ、苦しかった。というより、疲れた...(笑)久しぶりのジェットコースターゲームでしたよ。高低差ハンパないって...それにしても勝てて本当によかった。

 「我々のサッカーをするのみ」いつもこんなことしか言わないボスです。しかし、この試合は流れを読み、打開策を考えてるんだなぁと思わされました。哲学者の面が色濃く出ていますが、案外策士なのかもしれません。

 さて、お次もホームでFC東京を迎えます。限定的ですが、この試合から観客を入れます。さらば無観客試合ですね。そういった変化も楽しみつつ、この先も駆け抜けていきましょう!

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